MINATAと学ぶオートメーション #11:補助リレー — 必要な場面と正しい配線の仕方
補助リレー:必要な場面と、正しい配線の仕方
ある技術者が、220 Vの電磁弁コイルをPLC出力へ直接配線する。「これも接点だろう」というわけだ。数週間後、その出力が壊れ、モジュールごと交換になる。PLC出力は指令を出すために作られており、負荷を担うためではない。その二つの役割の間に立つのが、ほぼすべての盤にある小さく安価な機器——補助リレー(インターポージングリレー)である。
補助リレーは何も「賢い」ことをしない。コイルが接点群を引くだけである。だがその単純さこそ、PLC出力が自ら担うべきでない四つの課題——接点の増設、開閉容量の引き上げ、電気的絶縁、電圧レベルの変換——を解決する。
本記事では、補助リレーの動作、使う四つの理由、コイルと接点の選び方、配線、そして半導体出力でコイルを扱うとき逆起電力の抑制が必須である理由を説明する。
本記事は一般原則を述べる。具体的な定格(コイル電圧、接点電流、絶縁クラス)は実機カタログと盤に適用される規格(例:IEC 60204-1)に従うこと。
補助リレーとは
構造上、補助リレーは次から成る。
- コイル: 定格電圧(現代の制御盤では通常24 VDC、または220 VAC)で励磁すると磁界を作り、可動鉄片を引く。
- 接点: 可動鉄片が接点を状態間で動かす。多極形はそれぞれ複数のNO、NC、切替接点を備える(第10回参照)。
- ソケットと表示LED: リレーは通常、交換しやすいねじソケットに挿す。多くはコイル励磁を示すLEDを持つ。
要点:コイルの制御回路と、接点を通る回路は、電気的に分離した二つの回路である。 これが下記の絶縁の基礎となる。

補助リレーを使う四つの理由
1. 接点を増やす。 PLC出力は一つの接点である。一つの指令を複数箇所(灯を点ける、弁を開く、別盤へ知らせる)で作用させたいとき、多極リレーなら出力を増やさず「一指令・多接点」ができる。
2. 開閉容量を上げる。 PLC出力接点(特にトランジスタ形)はごく小電流、多くは数百mAしか流せない。大形弁コイル、ブザー、白熱灯などは突入電流が高く、容易に超える。PLC出力はリレーコイル(小電流)を開閉し、リレー接点が負荷(大電流)を開閉する。
3. 電気的絶縁(ガルバニック絶縁)。 コイルと接点が分離しているため、負荷側の故障(短絡、過電圧)はPLCへほとんど逆流しない。補助リレーは高価なコントローラを守る「緩衝帯」である。
4. 電圧・負荷レベルの変換。 PLCは24 VDCで動くが、現場負荷の多くは220 VACや別電圧である。リレーコイルはPLCから24 VDCを受け、その接点は別の220 VAC回路を開閉する——二つの電圧の世界が一つの機器を介して安全に出会う。
電磁接触器との区別
初心者は補助リレーと電磁接触器(コンタクタ)を混同しがちである。実用的な境界:
| 基準 | 補助リレー | 電磁接触器 |
|---|
| 役割 | 信号・小負荷の開閉 | 動力負荷(モーター)の開閉 |
| 接点電流 | 小(数A) | 大(数十〜数百A) |
| アーク消弧 | 基本的 | 専用の消弧室 |
| 使用負荷種別 | 主に小さな抵抗・誘導負荷 | モーターにAC-3(第12回) |
規則:負荷がモーターや大電力なら電磁接触器(第12回)。それ以外——灯、弁、信号、インターロック——は補助リレー。
補助リレーの選び方
選ぶ際は四つの項目に注目する。
- コイル電圧: 制御電源に合わせる(24 VDCを優先)。図面に明記し、220 Vコイルを24 V回路に付けないようにする。
- 極数と接点種別: 2極、4極。各NO/NC/切替。予備接点のため少し余裕を持って選ぶ。
- 接点の電流と負荷種別: 定格電流と使用負荷種別(抵抗負荷と誘導負荷は異なる)。誘導負荷(弁コイル、電磁接触器)は抵抗負荷よりディレーティングが要る。
- ソケットと付属品: ねじ式かばね式か、LED/ダイオードモジュール内蔵の有無、振動で脱落しない保持クリップ。
配線とコイルの逆起電力抑制
リレーコイルは誘導負荷である。急に電源を切ると、崩れる磁界が短時間に非常に高い逆電圧スパイクを生む。機械リレー出力ではこのスパイクがアークを起こし接点を摩耗させる。PLCのトランジスタ出力では、逆スパイクが半導体を即座に破壊しうる。
だからコイルと並列に抑制素子を付けなければならない。
- ダイオード(DCコイル用):コイルと並列に逆向きに付け、スパイクをクランプする。安価で有効だが、リレーの復帰がわずかに遅くなる。
- RCスナバまたはバリスタ(MOV):ACコイル用、または速い復帰が要るとき。
多くのリレー系列には差込式のダイオード/LEDモジュールがある——忘れないよう使うとよい。単純な規則:半導体の隣にある誘導コイルには抑制素子を付ける、例外なし。
その他の配線上の要点:
- 端子は機器に従って番号付け(コイルはA1/A2、接点は番号対)し、端子表と一致させる。
- リレーをレール上に一列にまとめ、機能表示を明確にする。
- リレーコイル電流を24 VDC電源の負荷に加算する(第15回)。
機械リレーと半導体リレー(SSR)
すべてのリレーが機械接点を持つわけではない。開閉頻度と負荷種別で選ぶ二大系列がある。
- 機械リレー(EMR): コイルが物理接点を引く。長所:完全絶縁、導通時の電圧降下が極小、ACもDCも開閉、低コスト。短所:接点が開閉回数で摩耗、「カチッ」という音、切替が遅い(ミリ秒)、高頻度開閉に不向き。
- 半導体リレー(SSR): 半導体(トライアック/トランジスタ)で開閉し、機械接点がない。長所:極めて高速で静かな開閉、連続オンオフ(例:パルス温度制御)で非常に長寿命、アークなし。短所:導通時に電圧降下と発熱(通常ヒートシンクが要る)、「オフ」時に微小漏れ電流、過電圧・過電流に敏感、AC用とDC用が別。
実用規則:低頻度開閉で確実な絶縁と多様な負荷が要る → 機械リレー。高頻度開閉(温調、速い点滅)→ SSR(適切なヒートシンクと保護つき)。
接点寿命と保全
機械リレーの「寿命」には二つの異なる数値がある。混同しないこと。
- 機械的寿命: 無負荷での開閉回数——通常は非常に大きい(数千万回)。
- 電気的寿命: 負荷ありでの開閉回数——はるかに小さく、負荷種別に依存する。誘導負荷(弁コイル、電磁接触器)は遮断時のアークで抵抗負荷より速く接点を摩耗させる。
だから耐久性を見積もるときは、魅力的な機械的寿命の数値ではなく正しい負荷種別での電気的寿命に頼る。寿命を延ばす習慣:誘導負荷には接点をディレーティング、抑制素子を付ける、一つのリレーに高頻度開閉をさせない、ソケット挿しにして摩耗時に素早く交換する。連続開閉の指令には設計段階からSSRを検討する。
MINATAの技術リファレンス
下の例はMINATAの設計思想に沿った参考案であり、最終仕様と構成は実際の記録・規格・機器に照らして確認すること。
Delta AX-308Eを使うセルでは、出力を現場へ直結せず、DINレール上の24 VDC補助リレーの列を通す。各出力は抑制ダイオード内蔵のリレーコイルを開閉し、リレー接点が弁・灯・別盤への信号へ出て行く。
この方法は三つの明確な利点をもたらす。AX-308E出力モジュールを逆スパイクと負荷故障から守る。現場負荷が壊れたとき、PLCモジュール全体でなく一つの差込リレーを交換するだけで済む。そして拡張が容易——指令に接点をもう一つ要るなら、リレーの空き極を使うだけである。
盤でよく見る他のリレー系列
「補助リレー」が最も一般的だが、盤には混同しやすい専用リレー系列もいくつかある。正しく選ぶために知っておく。
- タイマーリレー: 設定した遅延の後に接点を開閉する(オンディレー、オフディレー…)。スターデルタ始動や待ちを含む順序に使う。第25回で扱う。
- ラッチング(インパルス)リレー: コイルの電源が切れても状態を保ち、パルスで反転する——省電力で、停電中も状態を保つ。
- 監視リレー: 欠相、相順、過/不足電圧、レベルなどを監視し、異常時に警告または遮断する。入力電源の保護に非常に有用。
- 安全リレー: E-stop/安全扉回路用の特別形で、強制ガイド接点と冗長構造を安全規格に従って備える——普通の補助リレーで代替しない。
共通点:いずれもNO/NC接点の規約(第10回)に従うが、各々が別の課題を解く。普通の補助リレーで安全リレーや監視リレーの仕事をさせてはならない。
よくある失敗
- 誘導負荷/220 V負荷をPLC出力へ直結し、緩衝リレーを省く。
- トランジスタ出力でコイルを扱うのに抑制ダイオード/RCを忘れる。
- コイル電圧を誤って付ける(220 Vを24 V回路へ、またはその逆)。
- 補助リレーでモーターを直接開閉する(それは電磁接触器の仕事)。
- 接点を必要ちょうどで選び、予備なし・誘導負荷のディレーティングなし。
補助リレーのチェックリスト
- [ ] PLC出力はリレーコイルのみを開閉し、重負荷を担わない。
- [ ] コイル電圧が制御電源に合い、図面に明記されている。
- [ ] すべての誘導コイルにダイオード/RC/バリスタの抑制がある。
- [ ] 極数が十分で予備があり、誘導負荷に接点をディレーティング。
- [ ] リレーはソケット挿し、表示付き、振動対策の保持クリップ付き。
- [ ] リレーコイル電流を24 VDC電源の負荷に加算した。
補助リレーは「無名」だが要所に立つ機器である。コントローラと現実世界の間に。正しい場所に置き正しく配線することが、盤で最も高価な部分を守る方法である。
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