MINATAと学ぶオートメーション #12:電磁接触器 — モーターと動力負荷を正しく開閉する
電磁接触器:モーターと動力負荷を正しく開閉する
5.5 kWのポンプモーター用の制御盤で、モーター銘板の電流を見て電磁接触器を選ぶ。それで十分だと思っていた。数か月の連続開閉の後、主接点は荒れて溶着し、モーターは時折欠相しても誰も気づかない。原因は、選定者が定格電流を見て使用負荷種別を見落としたこと——モーターを開閉する電磁接触器は定格の6〜8倍の始動電流に耐えねばならず、抵抗負荷の開閉とはまったく別の要求である。
電磁接触器(コンタクタ)は、モーター・ヒーター・進相コンデンサへ大電流を送る動力回路を開閉する機器である。「コイルが接点を引く」原理は補助リレーに似るが、規模はまったく異なる。大きな接点、消弧室、そして負う負荷種別による分類を持つ。
本記事では、電磁接触器の構造、主接点と補助接点の区別、使用負荷種別AC-1 / AC-3の意味、モーター始動の自己保持回路の組み方、そして正しい選び方を述べる。
本記事は原則を述べる。モーターの過負荷保護は第13回(サーマルリレー)、短絡保護は第14回(ブレーカー/ヒューズ)の主題。定格は実カタログと適用規格(例:電磁接触器とモーター始動器についてIEC 60947-4-1)に従うこと。
構造:主接点、補助接点、コイル
代表的な電磁接触器は次から成る。
- コイル(A1-A2): 定格電圧(形式により24 VDC、220 VAC、380 VAC)で励磁すると可動鉄片を引き、接点を閉じる。
- 主接点: 三相モーターには通常3極(1-2、3-4、5-6またはL1-T1…と付番)。大電流を担う大きな接点で、誘導負荷を遮断する際の火花を消す消弧室を持つ。
- 補助接点: 小さく、制御回路——状態表示、自己保持、インターロック——に使う。1 NO + 1 NC内蔵形もあれば、補助ブロックを上に足す形もある。
覚えておく点:主接点は負荷を、補助接点は論理を開閉する。 補助接点でモーターを開閉せず、主接点を制御信号に使わない。
多くの電磁接触器は、側面や上部に付ける補助接点ブロックや機械ブロック(機械的インターロック、空気式タイマー)も受け付ける。だから一つの系列で、単純な始動から可逆・スターデルタまで、主機器を変えずに多くの回路を組める。設計時は、後で生じる論理需要のため予備の補助接点を残しておく。

使用負荷種別:なぜAC-3はAC-1と違うのか
これは最も重要で、最も見落とされる概念である。使用負荷種別は、接点が耐えるべき負荷種別と開閉条件を表す。
| 種別 | 負荷種別 | 開閉の特徴 |
|---|
| AC-1 | 抵抗または軽い誘導負荷(ヒーター、cos φ ≥ 0.95) | 開閉電流 ≈ 定格電流 |
| AC-3 | かご形モーター、運転中に遮断 | 投入電流が定格の6〜8倍(始動電流) |
| AC-4 | モーター可逆/寸動、全速前に遮断 | 最も過酷、遮断電流も非常に高い |
実際の帰結:「AC-1で40 A」と書かれた電磁接触器が、AC-3では約18〜25 Aしか耐えられないことがある。モーター用にAC-1の「立派な」数値で選ぶと、実際にはずっと大きい始動電流を担うため接点が速く摩耗する。モーターにはAC-3電流を読み、AC-1を読まない。
モーター始動の自己保持回路
モーターの古典的な「Start-Stop」回路は、これまで学んだ部品をそのまま使う。
- NCで配線したStopボタンを回路に直列——断線でもStop押下でも遮断(フェイルセーフ、第10回)。
- NOで配線したStartボタン、押すと電磁接触器コイルKMを励磁する。
- KMのNO補助接点をStartボタンと並列に。KMが投入するとこの補助接点が閉じ、Startを離してもコイルへ電流を自己保持する。
- Stop押下(または停電、またはサーマルリレー動作)→ コイルKMが失電 → すべて復帰 → モーター停止。
これが第09回でPLC版として触れた自己保持回路であり、ここでは電気機器だけで組んでいる。この回路を掴むことが、従来のモーター制御の背骨を理解することであり、第23・24回の可逆・スターデルタの図面を読む基礎でもある。
電磁接触器の選び方
実用的な手順:
- 負荷を特定: モーターの何kW、電圧、定格電流(モーター銘板を読む)。
- AC-3で選ぶ: 電磁接触器のAC-3電流 ≥ モーター定格電流、余裕を持って。可逆/寸動が多い負荷はAC-4またはディレーティングを検討。
- コイル電圧を選ぶ: 制御回路に合わせる(24 VDCまたは220 VAC)。図面に明記。
- 補助接点: 自己保持+状態+インターロックに十分に。足りなければ補助ブロックを足す。
- 保護の協調: 電磁接触器はサーマルリレー(過負荷、第13回)とブレーカー/ヒューズ(短絡、第14回)と組んで完全なモーター始動器を作る。三機器は互いに協調し、ばらばらに選ばない。
コイル電圧:ACかDCか
電磁接触器のコイルにはAC(通常220 VACまたは380 VAC)とDC(24 VDC)がある。違いは電圧の数値だけではない。
- ACコイル: 投入時に保持電流の数倍の突入電流があり、鉄心が汚れているか電圧が低いとうなりを生じる。コイル供給が降下する(長い線、多数の負荷が同時投入)と、コイルが煮え切らず投入し接点がびびる——非常に有害。コイルの電圧を許容帯(通常定格の85〜110%)に保つ。
- DCコイル: 電流が安定、うなりなし、24 VDCのPLC/リレー制御に合うが、遮断時に逆スパイクを生むので抑制素子が要る(第11回)。大形電磁接触器では、保持電力を減らす電子制御モジュールを内蔵することが多い。
規則:盤全体で制御レベルを統一(現代的な24 VDCを優先)、コイル電圧を図面に明記、多数のコイルが同時投入するときの電圧降下を確認する。
電磁接触器の銘板の読み方
電磁接触器を手にしたとき、銘板で最も重要な数値:
- Ie / AC-3(電圧Ueにて): AC-3での定格使用電流——モーター選定に使う数値。各電圧で対応するモーター出力(kW)と併記されることが多い。
- Ith / AC-1: 熱(抵抗)電流——より大きい、モーターに使わない。
- Ui, Uimp: 定格絶縁電圧とインパルス耐電圧——絶縁安全に関係。
- コイル電圧(A1-A2): 上記のとおり。
- 主極数と内蔵補助接点(例:3P + 1NO、3P + 1NO1NC)。
本体/カタログの「電圧別モーター出力」表を正しく読むのが、速く安全な選び方である。実際の電源電圧でモーターkWを引けば、手計算せず適合形式が直接得られる。
複数の電磁接触器が要るとき:可逆とスターデルタ
一部のモーター回路は電磁接触器を二つ以上必要とし、だからこそ単一の電磁接触器をまず十分に理解する必要がある。
- 可逆(正逆): 二つの電磁接触器を使う——一つは正転、一つは三相のうち二相を入れ替えて逆転。両者が決して同時に閉じない(相間短絡を起こす)ようインターロックが必須。インターロックは一方のNC補助接点を他方のコイル回路に直列にする、および/または機械ロックで作る。詳細は第23回。
- スターデルタ始動: 大形モーターの始動電流を、三つの電磁接触器(主、スター、デルタ)で数秒後にスターからデルタへ切り替えて下げ、タイマーリレーと協調する。詳細は第24回。
これら回路の共通点:既に学んだ同じ自己保持とインターロックで複数の電磁接触器を協調させているだけである。単一の電磁接触器を確実に掴めば、より複雑な図面も読める。
MINATAの技術リファレンス
下の例はMINATAの設計思想に沿った参考案であり、最終仕様と構成は実際の記録・規格・機器に照らして確認すること。
MINATAのコンベヤセルでは、三相モーターをAC-3で選んだ電磁接触器で開閉する。Delta AX-308Eの出力は高電圧の電磁接触器コイルを直接閉じず、24 VDC補助リレー(第11回)を通す。リレー接点が電磁接触器コイルへ給電する。これによりPLCは動力回路から絶縁される。
電磁接触器のNO補助接点をPLC入力へ戻し、「電磁接触器が実際に閉じた」ことを確認する——指令を出せばモーターが回っていると信じるのではなく、実フィードバックから状態を取る第09回の原則に従う。PLCが指令を出しても補助接点の閉を見なければ、工程を続けず故障を出す。
よくある失敗
- モーター負荷にAC-1電流で電磁接触器を選ぶ → 接点が速く摩耗し溶着。
- 補助接点でモーターを開閉、または主接点を制御信号に使う。
- 自己保持回路を省き、Startボタンを押し続けさせる。
- 電磁接触器をばらばらに選び、サーマルリレーやブレーカーと協調させない。
- 220 V/380 Vの電磁接触器コイルを補助リレー経由でなくPLC出力へ直結する。
- 補助接点をPLCへ戻して実状態を確認するのを忘れる。
電磁接触器のチェックリスト
- [ ] 電流はAC-3(モーター)で選び、余裕を持つ。
- [ ] コイル電圧が制御回路に合い、図面に明記。
- [ ] 自己保持回路は電磁接触器自身のNO補助接点を使う。
- [ ] Stopと安全回路はNCで、制御回路に直列。
- [ ] 自己保持・インターロック・状態表示に十分な補助接点。
- [ ] サーマルリレー(#13)とブレーカー/ヒューズ(#14)と協調。
- [ ] 補助接点がPLCへ戻り、閉を確認する。
電磁接触器は、「小さな」制御回路が「大きな」動力回路に指令する場所である。正しい使用負荷種別を選び、正しい自己保持回路を組むことが、以降のあらゆるモーター始動器の堅い土台となる。
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