MINATAと学ぶオートメーション #16:光電センサー — 透過形・回帰反射形・拡散反射形
光電センサー:透過形・回帰反射形・拡散反射形
拡散反射形の光電センサーでボトルを数えるラインが、透明なプラスチックボトルでは完璧に動く。暗い色のボトルのロットに替えると、数え落としが一斉に出る:暗い表面は光をほとんど反射せず、センサーはボトルを「見え」ない。誰もプログラムを変えず、誰も機械を調整していない——検出すべき物に対して光電センサーの種類が誤っていただけだ。透過形なら、ボトルの色は問題にならなかった。
光電センサーは自動化でもっとも一般的な「目」である:有無の検出、計数、位置決め、在荷確認。しかし「光電センサー」は一つのものではない——信頼性・距離・取付が大きく異なる三つの種類がある。物と環境に合う種類を選ぶことは、ブランドを選ぶより重要だ。
本記事では三種類(透過形・回帰反射形・拡散反射形)を区別し、物と距離による選び方を説明し、電気面——NPN/PNP出力、ライトオン/ダークオン、背景抑制(BGS)、PLCへの配線——を扱う。
本記事は選定と使用の原則を述べる。定格(検出距離、保護等級、光の種類)は実際のセンサーカタログと取付環境に従うこと。
共通原理
すべての光電センサーは投光部(赤外・赤色・レーザーのLED)と受光部(フォトダイオード/フォトトランジスタ)を持つ。受光部は受けた光量を測り、しきい値と比べて「物あり」か「物なし」を判定する。三種類の違いは光ビームの経路にある:投光から受光へ直進、ミラーで反射、物の表面で反射。
取付時に覚えておくべき概念が過剰ゲイン(excess gain)——センサーが実際に受ける光量と、動作に必要な最小しきい値との比だ。清浄な環境では数倍の余裕で足りるが、粉塵・水蒸気・レンズが汚れやすい所では、レンズが時間とともに汚れてもセンサーが徐々に「見えなく」ならないよう、高い過剰ゲイン(5〜10倍以上)の構成を選ぶ。だから透過形(過剰ゲインが高い)は、粉塵の多い工場で拡散反射形よりはるかに頑丈だ。あわせてレンズの定期清掃を習慣にする——多くの「センサー故障」は、実は油と粉塵で汚れたレンズにすぎない。

種類1 — 透過形(through-beam)
投光器と受光器は二つの別々の機器で、対向して置く。通常はビームが投光から受光へ直進し、物がビームを遮ると受光が光を失って動作する。
- 長所: もっとも信頼性が高く、もっとも距離が長い。 物がビームを遮ればよいだけなので、物の色や表面に依存しない——透明でも暗いボトルでも同じようにビームを遮る。光パワーの余裕により粉塵・妨害にも強い。
- 短所: 二台と両側の配線が要り、一直線に整列させる。完全に透明な物は検出できない(ビームが透過する)。
高い信頼性、長い距離、または色・表面が多様な物(冒頭のボトル計数がまさにそれ)が要るときに透過形を選ぶ。
種類2 — 回帰反射形(retroreflective)
投光と受光が一台にあり、対向に反射板(リフレクタ)を置く。ビームは反射板へ行き受光へ戻る。物がビーム経路(行きか帰り)を遮ると、受光が光を失って動作する。
- 長所: 配線の要る機器一台+電源不要の反射板だけで済み、配線は片側、取付が速く、透過形より小型。
- 短所: 透過形より距離が短い。そして光沢のある物(明るい金属、フィルム包装)がミラーのように反射し、センサーを「物なし」と誤認させることがある。光沢物には偏光(polarized)形を使い、本物の反射板からの反射と区別する。
配線を簡潔にしたく、物がそれほど光沢でないときに回帰反射形を選ぶ。
種類3 — 拡散反射形(diffuse)
投光と受光が一台を共有し、反射板は不要。ビームが出て物の表面で反射して受光へ戻る。物ありなら反射あり、すなわち動作。
- 長所: 一台のみ、片側取付、反射板や対向受光を置く場所がないとき最も簡単。
- 短所: 距離が最も短く、物の色・光沢・表面角度に依存する——暗い/光を吸収する物は反射が弱く見落としやすい(冒頭の事例そのもの)。物のすぐ背後の背景も反射して誤動作を起こしうる。
妨害する背景を克服するには、背景抑制(BGS)形を使う:センサーは設定距離内の物だけを拾い、より遠い物/背景を無視する。コンベヤや機械壁の近くで拡散反射形を使うとき、備えたい機能だ。
状況による種類の選択
| 要件 | 選択 |
|---|
| 高信頼、長距離、物の色が多様 | 透過形 |
| 配線を簡潔に、物がそれほど光沢でない | 回帰反射形(光沢物なら偏光) |
| 片側しか使えない、短距離 | 拡散反射形(近い背景があればBGS付き) |
| 透明な物(ボトル、フィルム) | 「透明体」専用形、または場合により透過形 |
原則:重要な信号には信頼性を優先する(安全、課金対象製品の計数)。配線/費用の節約は信頼性の後に置くべきだ。
電気面:NPN/PNPとライトオン/ダークオン
正しい光学種類を選んでも半分だ。残り半分はPLCとの電気的適合である:
- NPNかPNPか: 3線式センサーはNPN(シンク)かPNP(ソース)のトランジスタ出力を持つ。PLCの入力種類に合わせる必要がある——ベトナムや多くの欧州PLCではPNPが一般的。PNP待ちの入力にNPNを配線すると、LEDは点灯してもセンサーは「動作しない」。(シンク/ソースの概念は#10で扱った。)
- ライトオン/ダークオン: 受光時に動作(ライトオン)か、消光時に動作(ダークオン)かを選ぶ。「物あり=1」の論理で選ぶ:透過形では物あり=消光なので、「物あり→出力1」にしたければダークオンを使う。多くのセンサーはスイッチでモードを選べる。
- 応答時間: 高速で動く物(高速計数)では、取りこぼさないようセンサーの応答周波数が十分速いことを確認する。
- 保護等級と光: 粉塵/水の環境には高いIPを、強い光妨害下ではノイズを排除する変調レーザー/赤外形を選ぶ。
光源:赤外・赤色・レーザー
光の種類も使用に大きく影響する:
- 赤外(IR): 光パワーが強く、粉塵・かすみをよく貫き、遠くまで届く。しかしビームが肉眼で見えないため整列が難しい(補助照準スポットを持つ形もある)。
- 可視赤色光: 物/反射板上のスポットが見えるので整列が容易。回帰反射形と拡散反射形で一般的。
- レーザー: 非常に小さく集光したスポットで、小さな物の検出や高い位置精度に向く。代わりに高価で、レーザー安全への注意が要る。
さらに産業用センサーは通常、投光を変調して受光が投光の正確な「周波数」だけを受け入れるようにし、外来光(工場照明、日光)に強くする。それでも直射日光下や大出力灯の近くに取り付けるときは、外光が受光へ直接入らないようにする。
透明体と難しい表面
一部の物は光電センサーを難しくし、個別の対処が要る:
- 透明体(ガラス瓶、PETフィルム): 大半の光を透過するので拡散反射/回帰反射は苦手になりがち。透明体検出専用のセンサー(高感度、しきい値補償)を使うか、別原理(超音波——別のセンサー系列で扱う)へ切り替える。
- 非常に暗い/つや消し黒の物: 反射が弱く、透過形を優先。
- 鏡面光沢の物: 前述のとおり偏光反射板を使うか、直接反射を避ける角度に配置。
- 小さな物、薄い縁: 小スポットレーザーか狭範囲の透過形を使う。
難しい物に遭ったら、感度を最大にひねって安いセンサーを無理に働かせようとしない——それは断続信号のもとだ。最初から正しい種類を選ぶことが、故障探しで機械を止めるよりはるかに安い。
参考となる技術シナリオ
以下の図はMINATAの設計思想に沿った参考案である。最終的な定格と構成は、実際の資料・規格・機器に照らして確認すること。
MINATAの供給セルでは、「待機トレイにワークあり」の位置が光電センサーをDelta AX-308E入力(I/Oモジュールに合うPNP形)へ戻す。明るく光沢のある金属ワークには、MINATAは(だまされやすい)通常の回帰反射形を避け、重要な「ワーク有無」信号に透過形を選び、副次の確認位置には背後の機械壁を無視するためBGS付き拡散反射形を使う。
PLCはセンサー信号を次工程を許可する条件として読む。#09のとおり、表示状態は仮定でなく実センサーから得る。センサーが汚れたりずれたりすると、PLCは異常状態(例:ワークありと報告されたのに長時間取られない)を検出し、盲目に走る代わりに警報する。
よくある誤り
- 色/光沢が変わる物に拡散反射を使う → ロット替えで見落とす。
- 鏡面光沢の物に偏光形なしで回帰反射を使う。
- PLC入力に対しNPN/PNPを誤配線 → センサーが「何もしない」。
- ライトオン/ダークオンの選び違い → 論理が逆。
- 背景の近くにBGSなしで拡散反射を置く → 誤動作が続く。
- 透過形/反射板の整列を省く → 振動で断続的になる。
光電センサーチェックリスト
- [ ] 信頼性・距離・取付で種類(透過/回帰反射/拡散)を選ぶ。
- [ ] 光沢物:偏光反射板を使う。色が変わる物:透過形を優先。
- [ ] 背景の近くの拡散反射:背景抑制(BGS)付きを選ぶ。
- [ ] NPN/PNP出力がPLC入力に合う。
- [ ] 「物あり=1」の論理でライトオン/ダークオンを正しく選ぶ。
- [ ] 物の速度に十分な応答周波数、環境に合うIP。
- [ ] 確実な整列、振動によるずれに強く。
- [ ] 粉塵/水蒸気環境には高い過剰ゲインを選び、レンズの定期清掃を計画し、センサーが徐々に見えなくならないようにする。
正しい光電種類を選ぶことは、機械の一生の安定を左右する設計段階の決定である。機械の目は、見るべき物に合う原理で「見る」ときにのみ信頼できる。
MINATAで自動化の知識をもっと読む:https://minatavn.com/ja/blog/industrial-automation
前の記事 — #15:24VDC電源:制御盤のための選定と計算:https://minatavn.com/ja/blog/automation-15-24vdc-power-supply-ja
次の記事 — #17:近接センサー:誘導形と静電容量形:https://minatavn.com/ja/blog/automation-17-proximity-sensors-ja
MINATAの技術記事をすべて見る