MINATAと学ぶオートメーション #27:図面上のJIS電気記号
図面上のJIS電気記号
あるベトナム人技術者が、日本から輸入した機械の保守のため電気図面を手に取る。回路の論理は読めるが、記法でつまずく:接点は「a接点」「b接点」と記され、機器は「MC」「THR」「PB」と符号化され、注記はすべて日本語だ。電気を知らないのではない——ただJISの記号と文字記号の集合にまだ慣れていないだけだ。MINATAのように日本の機器と顧客と密接に働く事業にとって、日本式の図面を読めることは、副次でなく実用的な技能だ。
制御回路の内容はどの国でも同じだ——自己保持回路、インターロック、正逆転(#21〜#26)は今もそれらの同じ論理だ。記号の描き方と符号の付け方だけが規格で異なる:IEC(欧州/国際)、JIS(日本)、NEMA(米国)。本記事は日本の図面で出会うJISに焦点を当てる。
本記事では、よく見るJISの記号と文字記号を馴染みのものに対応づけ、NO/NCの日本式の呼び方(a接点/b接点)、機器の文字記号(MC、THR、PB…)、そして読み始めるときの日本の図面への取り組み方を説明する。
本記事は参考として一般的な規約を述べる。具体的記号は規格の版や会社ごとに異なりうる——図面に付く凡例を必ず読むこと。本記事は公式のJIS資料に代わるものではない。
a接点とb接点:NO/NCの日本式の呼び方
もっとも目立つ違いは接点の呼び方だ。日本の資料では:
- a接点: まさに常開(NO)接点——通常は開、動作で閉じる。「メーク接点」とも呼ぶ。
- b接点: まさに常閉(NC)接点——通常は閉、動作で開く。「ブレーク接点」とも呼ぶ。
- c接点: 切換接点(SPDT)——共通の極を持ち、aとbの間を切り換える(#10で扱った)。
この三語を押さえれば、日本の図面の接点の大半を読める。本質は学んだNO/NC/切換とまったく同じ——名前だけが異なる。

JISの機器文字記号
日本の図面では、各機器が図記号の傍らに文字記号を持つ。よく見る記号:
- MC / MS: 電磁接触器(電磁開閉器)。MSは通常、電動機始動器(接触器+サーマルリレー)を指す。
- THR / OL: 過負荷を保護するサーマルリレー。
- MCCB / NFB: 配線用遮断器。NFBは日本で今も非常に一般的な旧称だ。
- PB / BS: 押しボタン。
- PL / SL: 表示灯(パイロットランプ)。
- R / X: 中継リレー。
- TLR / T: タイマ(タイマーリレー)。
- LS: リミットスイッチ。
- COS / SS: 切換スイッチ(セレクタ)。
これらの記号は通常、同種の複数機器を区別するため連番(MC1、MC2…)を伴う。文字記号の表を知れば、一つずつ調べずに図面を速く読める。
IEC、JIS、NEMA:一つの言語の三つの「方言」
JISを文脈に置くため、三つの記号規格を三つの方言として想像する:
- IEC(国際/欧州): 世界的に一般的で、多くの資料とソフトウェアが使う。接点・コイル記号はIEC 60617による。
- JIS(日本): 日本の図面の大半で使う。多くの点でIECに近いが、独自の呼び方(a接点/b接点)と独自の符号(NFB、MC…)を持つ。
- NEMA(米国): 北米で使い、ラダー記号と機器符号がやや異なる(例:制御リレーにCR)。
良い知らせ:回路の論理は三規格の間で変わらない——自己保持回路はIEC、JIS、NEMAのどれで描かれても自己保持だ。多国籍の環境(多くの日越プロジェクトのような)の技術者は、少なくともIECとJISに慣れ、NEMAは記号が違うだけで同じ原則に従うと知っておくべきだ。最も速い学び方は、慣れた規格で推測するのでなく、常に読んでいる図面自身の凡例から始めることだ。
日本の図面の表現の習慣
記号のほか、日本の制御図にはいくつかの表現の習慣がある:
- 縦書きまたは横書きのラダー: 多くの日本の図面は制御回路を縦の列で描く(二本の電源母線が上下に横たわり、分岐が縦に走る)。一部の西洋資料の横書きの習慣と異なる。読む原則はやはり条件が先、結果が後だ。
- 分岐番号と相互参照: #26と同様に使い、コイル↔接点をたどる。
- 凡例: 良い図面には必ずある。まず読んでその一式の記号規約を把握する。
- 日本語の注記: 機能名や運転注記は通常日本語——技術日本語の語彙(MINATAの技術日本語系列)が役立つ所だ。
日本の図面への取り組み方
日本の図面一式を受け取ったら、この順序で進める:
- 凡例を読む——a接点/b接点、コイル、その一式の特殊記号の描き方を知る。
- 機器表を読む: 符号MC1、THR1、PB1…を実際の機器(種類、定格)に対応づける。
- 主回路と制御回路を見極める: #26のように両方を読み、同じ名の機器を両者間でたどる。
- 各分岐を読む——学んだ論理で。回路の内容(自己保持、インターロック…)は変わらず、記号だけが違う。
- まだ知らない日本語の用語を書き留める——調べて再利用するため。
言い換えれば、記号と文字記号の層を「翻訳」しさえすれば、日本の図面は慣れた図面とまったく同じように読める——制御論理が共通言語だからだ。
例:日本式のモーター始動回路を読む
日本の図面に、おおよそ次のような制御分岐があるとする:「BS0(b) — BS1(a) ‖ MC(a) — THR(b) — (MC)」。学んだものに翻訳すると:
- BS0(b): Stopボタン、b接点(NC)——直列、Stop優先(#21)。
- BS1(a): Startボタン、a接点(NO)。
- BS1と並列のMC(a): 電磁接触器MC自身のa接点 → 自己保持回路(#21)。
- THR(b): サーマルリレーのb接点(95-96)→ 直列、過負荷で切れる(#13)。
- (MC): 電磁接触器コイル。
文として読む:「Stop未押下、かつ(Start押下またはMC自己保持)、かつサーマルリレー未動作 → コイルMCへ給電」。これは#21で学んだまさにモーター始動の自己保持回路で、JISの記号と符号をまとっただけだ。慣れれば、記号の層を「透かし見て」下にある馴染みの論理をすぐ見る。
主回路では、その同じMCの主接点がTHRを通じてモーターへ三相を閉じるのが見え、#12〜#13の始動器の構造そのものだ。二つの図面の間で同じ名の機器(MC)をたどるのが鍵だ。
図面によく出る日本語用語
よく現れる用語を、素早い参照のためまとめる:
| 用語 | 読み | 意味 |
|---|
| 主回路 | しゅかいろ | 動力回路(メイン回路) |
| 制御回路 | せいぎょかいろ | 制御回路 |
| 電源 | でんげん | 電源 |
| 接点 | せってん | 接点 |
| 押しボタン | おしボタン | 押しボタン |
| 表示灯 | ひょうじとう | 表示灯 |
| 非常停止 | ひじょうていし | 非常停止(E-stop) |
| 凡例 | はんれい | 凡例(レジェンド) |
| 機器表 | ききひょう | 機器一覧表 |
| 端子 | たんし | 端子(ターミナル) |
| 接地 | せっち | 接地(アース) |
一度にすべてを暗記する必要はない。図面を数枚読み、少しずつ調べれば慣れる。大切なのはそれらを認識し、どこで調べるかを知ることだ。この語彙はMINATAの技術日本語系列と直接重なる——一度学べば図面読解にも現場の意思疎通にも使える。
なぜこれがMINATAに重要か
MINATAは日本の機器・資料・顧客と密接に働く。日本式の電気図面を読めることは三つの実用的な利益を与える:
- 日本の機械の保守と統合: 回路を正しく理解して修理・改善し、新しい制御系(例:Delta AX-308Eへの置換)に接続する。
- 日本の顧客/パートナーとの意思疎通: 正しい用語(a接点、MC、主回路…)を使い、技術的なやり取りを正確にし信頼を築く。
- 双方向の変換: 日本の顧客向けに図面を作るときは彼らの慣れた記号と符号を使い、受け取るときはすぐ読む。
これもまた、MINATAがオートメーションと並んで技術日本語の一領域をまるごと持つ理由だ——二つの技能は、日越環境で働くとき互いを補う。
よくある誤り
- a接点(NO)とb接点(NC)を取り違える → 回路論理を逆に理解する。
- 凡例/機器表を飛ばし、記号と文字記号を推測する。
- 符号に不慣れなだけで、NFB/MCCB(ブレーカー)を電磁接触器と混同する。
- 横書きの習慣で、縦書きの図面の方向を誤読する。
- 重要な条件/警告を含む日本語の注記を飛ばす。
- 図面がJISを使うのに慣れた規格(IEC)で記号を仮定し、いくつかの特殊記号を誤解する。
JIS図面読解チェックリスト
- [ ] a接点=NO、b接点=NC、c接点=切換を覚える。
- [ ] よく見る文字記号を覚える:MC、THR、MCCB/NFB、PB、PL、R、TLR、LS。
- [ ] まず凡例と機器表を読む。
- [ ] 主回路と制御回路を区別する。
- [ ] #26の分岐読解と相互参照の方法を適用する。
- [ ] 技術日本語の用語を調べて記録し再利用する。
- [ ] 回路論理はIEC/JIS/NEMAの間で変わらない——記号だけが違うことを覚える。
- [ ] 日本の顧客向けに図面を作るときは、彼らの慣れた記号と符号を使う。
- [ ] 技術日本語の語彙を組み合わせ、注記を読み顧客と正確に意思疎通する。
- [ ] 大きな系では、工場全体で機器を識別する階層符号(IEC 81346)に注意する。
JIS記号はまったく異質な体系ではない——それは、すでに知っている同じ電気概念を日本が書く方法だ。a接点/b接点の「アルファベット」と、MC/THRの数個の文字記号を学べば、日本の図面という一群を解錠するのに十分で、それがMINATAのような日越環境で働くときの実際の強みだ。
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