MINATAと学ぶオートメーション #28:制御盤の電線と機器の番号付け
制御盤の電線と機器の番号付け
よく動く盤が、電線番号も機器ラベルもなしに引き渡される。半年後に機械が故障し、(据付者でない)保守者が盤を開く:同じ色の、ラベルのない、もつれた電線の束。ある電線がどこからどこへ走るかを見つけるには、引き剝がし、テスターでたどり、仮印を付ける——数分で済むはずのことに一日を失う。同じ盤でも、きちんと番号付けされていれば、保守者は図面を見て電線番号を読み、正しい端子へまっすぐ行ける。
電線と機器の番号付けは、据付時の労力は少ないが後で大いに労力を節約する作業だ。制御盤を「ブラックボックス」から検索可能な系へ変え、図面(#26、#27)が実際の意味を持つ条件だ——図面は実配線に照合できて初めて役立つからだ。
本記事では、機器タグの規則、電線番号の規則、「三箇所で一致」の原則、番号体系の選び方、そして故障探し・引き渡し・保守への利益を扱う。
本記事は一般的な原則を述べる。具体的規約(文字、番号構造)は規格(IEC 81346、JIS)か会社/顧客の内部規定に従いうる——一つの体系を合意し一貫して使うことが、どの体系を選ぶかより重要だ。
機器タグ
盤内の各機器には、文字部(種類を示す)と数字部(同種の複数を区別する)からなるタグを付ける:
- Q1 = 主幹ブレーカー、KM1/KM2 = 電磁接触器、F1 = サーマルリレー(体系によりヒューズ)、K1 = 中継リレー。
- S1 = Startボタン、S0 = Stopボタン、B1 = センサー、M1 = モーター、T1 = タイマ、H1 = 表示灯。
文字部は決まった規約(例:IEC 81346、または#27のMC/THRのようなJIS符号)に従い、数字部は増える。このタグは実際の機器(ラベル)と図面の両方に記され、一方を見れば他方が分かるようにする。図面が「KM1」と言えば、盤にはKM1とラベルされた機器がちょうど一つある。

電線番号
各電線の区間は、電線の両端のフェルール(番号チューブ)に印字された電線番号を持つ:
- 同じ電位=同じ番号: (機器を介さず)互いに接続されたすべての点は一つの「電気ノード」に属し、同じ電線番号を持つ。二つの電線端が同じ番号W-104なら、同じ電線/同じ電位と分かる。
- 機器を介すと番号が変わる: 接点/コイルの前後は二つの異なる電位なので、電線番号が異なる。
一般的な番号付けの流派が二つある:順番(W-101、W-102…)か、回路ノード/分岐番号による(電線番号を図面上の位置に結びつける)。後者は図面をより速くたどれるが据付が複雑だ。一つを選び盤全体で一貫させる。
黄金律:三箇所で一致
これがもっとも重要な点だ。番号体系は、ラベルが三箇所すべてで一致して初めて価値を持つ:
- 図面上: 図に印字された機器タグと電線番号。
- 実際の電線/機器上: 各電線の両端の電線番号フェルール、各機器のタグラベル。
- 端子台で: 各端子位置に印字された番号(#31)、そこに接続された電線番号と一致。
この三箇所が一致すると、保守者は図面上の症状から正しい実電線と正しい端子へたどらずに行ける。逆に、一箇所でもずれれば(ラベルを変えずに交換した電線、更新されない図面)体系全体が信頼を失う——だから修理のたびにラベルを更新することは必須の規律だ。
フェルール・電線色・補助規約
番号のほか、いくつかの補助規約:
- フェルール: 電線端にはめ、番号を明確に印字し、油/熱に耐える。電線にマーカーで書かない——すぐ薄れる。
- 機能別の電線色: 多くの所で色の規約がある(例:AC制御線、24VDC線、0V線、接地線)——規格/内部規定による。色は回路種類を素早く区別し、電線番号を補う。
- 接地(PE): 保護線は独自の色と記号を持ち、信号線のように番号を付けない。
- 耐久性のある機器ラベル: 印字/刻印で、工場環境で剝がれる紙シールでない。
色とフェルールは互いに代わらない:電線番号が「どの電線」、色が「どの回路種類」を示す——両方を使う。
番号体系の選び方:単純か構造的か
番号付けには数段階の「賢さ」があり、盤の規模で選ぶ:
- 単純な順番(W-101、W-102…): 据付が容易で、小型盤には十分。難点:番号だけでは電線がどの回路に属すか分からず、図面を参照せねばならない。
- 構造的/位置的番号付け: 電線番号を図面上の分岐や回路ノードに結びつける(例:分岐12の電線が関連番号12を持つ)。電線番号から位置を推測でき、図面を非常に速くたどれる——が、入念な計画と修理時の規律を要する。
- 階層符号(IEC 81346による): 大きな系では、機器タグが複数層を持ちうる——機能(=)、位置(+)、製品(-)——一つの盤でなく工場全体で識別する。強力だが重く、大きなプロジェクトにだけ必要。
実用的な原則:規模にちょうど足りる複雑さの水準を選び、一貫させる。真剣に使う単純な体系は、中途半端に使う洗練された体系に勝る。最悪なのは同じ盤に複数の体系を混ぜることだ。
PLCのI/Oの番号付け
盤にPLCがあると、番号付けは入出力信号へ広がる:
- 各入出力はアドレス(例:CODESYSの%I0.0、%Q0.1)を持ち、意味のある変数名(例:
B1_workpieceSensor、KM1_conveyorRun)に結びつけるべきだ。 - PLCへの信号線番号がそのアドレス/名前に一致し、図面に一致する。
- 「アドレス↔変数名↔電線番号↔端子↔機器」の連結表がまさにI/O一覧(#32)——PLC部分を読み保守するもっとも重要な文書だ。
I/Oまで一貫した番号付けのおかげで、センサーが故障すると、保守者はHMIの故障メッセージ(変数名)から端子と実電線へまっすぐ行ける。だから番号付けは「電気工の仕事」だけでなく、PLCプログラミングにも直接関わる——二つの部分は一つの名前/番号体系を共有せねばならない。
利益:故障探し・引き渡し・保守
- 速い故障探し: 図面の分岐(#26)から実電線番号と端子へまっすぐ、束全体を手探りで測る代わりに正しい点を確認する。
- 引き渡し可能: 他の人——据付に参加していない人さえ——図面と盤を読んで理解し、修理できる。機械が一人に依存せず長く「生きる」条件だ。
- 安全な改造: 回路を追加/削除するとき、番号体系が何が使用中かを教え、誤配線を避ける。
- I/O表と文書の作成: 一貫した番号付けが端子表(#31)とI/O一覧(#32)の基礎だ。
番号付けと並ぶ整った配線の実践
番号付けは効果を発揮するため、整った施工と一体だ:
- ダクト内に配線し、正しい長さに切る: ダクト内で整った電線(#37)は、もつれた束より番号でたどりやすい。将来の修理のため端子にほどよい予備長を残す。
- 回路ごとに電線をまとめる: 同じ回路/機能の電線を同じ経路に走らせ、ノイズを減らすため動力線を信号線から分ける(#36)。
- 接続前にフェルールをはめる: 端子を圧着し接続する前にフェルールを電線にはめる。後付けは非常に難しい。
- 接続しながら照合: 接続するたび図面にチェックを入れ、漏れや二重接続がないように——これも通電前の盤確認(#39)の一部だ。
完全に番号付けされた盤でも、電線がもつれれば保守しにくい。逆に、ラベルのない整った電線は美しいが故障探しに無用だ。二つは互いを補う:見るために整え、調べるために番号を。
参考となる技術シナリオ
以下の図はMINATAの設計思想に沿った参考案である。最終的な定格と構成は、実際の資料・規格・機器に照らして確認すること。
Delta AX-308Eを使うセル向けにMINATAが組む盤では、あらゆる機器がタグ(Q、KM、F、K、B、S…)を持ち、あらゆる電線が両端に番号フェルールを持ち、端子台が図面に一致して番号付けされる。だから引き渡し時、MINATAは受け取る側がすぐ読みたどれる図面一式を渡す。遠隔保守では、技術者は「端子X1:4に電圧があるか」と問うだけで正確に位置づけられる。
これはきちんとした引き渡しの精神の一部だ:機械は引き渡し時に動くだけでなく、後で理解し修理できる。よく番号付けされた盤は、どんな宣伝よりも明確に専門性を語り、引き渡し文書の丁寧さと長期の保守性を重んじる日本の顧客と働くとき特に重要だ。
よくある誤り
- 番号付けがない、または一部だけ → 故障探しが電線探りになる。
- ラベルが三箇所に一致しない(図面/ラベルを更新せず電線を修理)。
- 電線にマーカーで番号を書く → 薄れ、しばらくして読めない。
- 途中で番号体系を変え、同じ盤で一貫しない。
- 番号の代わりに色を使う(色は種類だけを示し、どの電線かは示さない)。
- 実際の盤に一致する更新された図面なしに引き渡す。
- 同じ盤に複数の番号体系を混ぜ、次の人がどの規約に従うか分からない。
番号付けチェックリスト
- [ ] 各機器がタグ(種類の文字+番号)を持ち、機器と図面に記す。
- [ ] 各電線が両端に番号フェルールを持つ。同じ電位=同じ番号。
- [ ] ラベルが三箇所で一致:図面↔実電線/機器↔端子。
- [ ] 耐久性のあるフェルールを使い、電線にマーカーで書かない。
- [ ] 機能別の電線色を適用し、番号を補う。
- [ ] 改造のたびにラベルと図面を更新する。
- [ ] 実際の盤に一致する図面とともに引き渡す。
- [ ] 接続前にフェルールをはめる。ダクト内に整然と配線、動力/信号を分ける。
- [ ] PLC:電線番号をI/Oアドレス/変数名に結びつけ、I/O一覧(#32)を作る。
- [ ] 盤の規模にちょうど足りる番号付けの複雑さを選ぶ。体系を混ぜない。
- [ ] ダクト内に整然と配線、動力/信号を分け、端子に予備長を残す。
電線と機器の番号付けは、「動く」盤と「保守できる」盤との大きな違いを生む小さな規律だ。すべてが三箇所で一致するよう据付時に少し労力をかけることは、自分自身への——そして後で盤を開く誰かへの——贈り物だ。
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