MINATAと学ぶオートメーション #30:制御回路図 — 開閉の論理を読み・組む
制御回路図:開閉の論理を読み・組む
動力回路図(#29)が負荷へエネルギーを運ぶ「電気の配管」なら、制御回路図はいつ入れ、いつ切るかを決める「頭脳」だ。同じモーター、同じ電磁接触器——だが、それがどう始動し、どう停止し、どの保護が切り、作業者が表示灯で何を見るかを定めるのは制御回路だ。ここは、学んだあらゆる論理概念(自己保持、インターロック、時間)が出会う場所だ。
制御回路図(制御回路)は小電流回路を描く部分だ:押しボタン、補助接点、保護接点、リレー/電磁接触器コイル、表示灯、タイマ。動力回路とは分かれているが、同じ名の機器を通じて密接に結びつく:ここのコイルが動力側の主接点を制御する(#29)。
本記事では、完全なモーター始動器の制御回路——自己保持回路から運転/故障灯まで——を組み、各分岐の読み方、動力図との協調、制御回路を設計するときのよくある誤りを説明する。
本記事は原則を述べる。安全の詳細(非常停止、安全回路)と具体的機器は、リスクアセスメントと適用規格に従うこと。
始動器制御回路の構造
図を見ると、モーター始動器の制御回路はいくつかの分岐からなる:
- 分岐1 — 自己保持回路(#21): Stop(S0、b/NC接点)を直列、Start(S1、a/NO)をKM1自己保持補助接点と並列、それから過負荷保護接点F1(b/NC)、コイルKM1へ。
- 運転灯の分岐: KM1補助接点(a/NO)が緑の「運転中」灯へ給電。
- 故障灯の分岐: F1接点(a/NO、97-98)が赤の「過負荷」灯へ給電。

分岐1を文として読む(#27のJIS記号を使い):「Stop未押下(S0閉)、かつ(Start S1押下またはKM1自己保持)、かつサーマルリレー未動作(F1閉)→ コイルKM1へ給電」。これは何度も出会ったまさにモーター始動回路で、いま表示灯まで完全に描いたものだ。
制御回路を読む:分岐ごと、左から右へ
#26の規則をそのまま適用する:
- 各分岐を左 → 右に読む: 左に条件(接点)、右のN母線の隣に結果(コイル/灯)。
- 分岐を上 → 下に読む: 通常、上の分岐が主論理(コイル)、下の分岐が補助(表示灯、信号)。
- 同じ名の接点=同じ機器: KM1は分岐1(コイル)、自己保持分岐(補助接点)、運転灯分岐(別の補助接点)に現れる——すべて同じ電磁接触器KM1のもの。
体系的な読み方のおかげで、論理がすぐ見える:KM1が閉じると緑灯が点く。F1が動作するとKM1を切り(モーター停止)赤灯を点ける。わずかな分岐から完全な状態の絵が得られる。
動力図との協調
これが重要な接点だ(#29):
- 制御回路のKM1コイル → 動力回路のKM1主接点を制御 → モーターを開閉。
- サーマルリレーF1が動力回路で電流を測る → 制御回路のF1接点(コイル分岐でb、故障灯分岐でa)。
だから故障探しでは、常に二つの図面を並行して読む。例えば緑灯が点く(KM1通電)のにモーターが走らない → 動力回路の主接点か相を疑う(#29の状況そのもの)。二つの図面が互いを補い完全な絵を作る。
制御回路に機能を追加する
基本回路は、条件/分岐を加えて容易に拡張できる:
- 非常停止と安全回路: 非常停止・安全扉のNC接点をコイルへの経路に入れる——ただし安全はこの制御回路だけでなくハードウェアで切らねばならない(#09)。
- インターロック(#22): 排他コイルのNC接点を他方のコイル回路に加える。
- タイマ(#25): 遅延やシーケンスにタイマーリレーを加える。
- モード選択: Auto/Manualの切換スイッチが各モードの条件分岐を加える。
- さらなる表示灯/信号: 状態をHMI、PLCへ報告。
あらゆる拡張はなお「正しい分岐に条件接点を加える」原則に従い——基礎の自己保持+保護の構造を壊さない。
表示灯と状態信号の役目
制御回路では、表示灯は装飾でなく作業者への情報のチャネルだ(#09)。合理的な灯の配置は、盤の面を見るだけで機械がどこにいるかを分からせる:
- 緑「運転中」灯: 電磁接触器の補助接点から、またはより良くは実フィードバック(VFD運転中、動き検出センサー)から——「嘘をつく灯」を避ける。
- 赤「故障」灯: 機械を止める故障(過負荷F1、欠相、安全)を集める——作業者は赤を見て介入が要ると知る。
- 黄「警告」灯: まだ機械を止めないが注意の要る異常。
灯のほか、制御回路は状態信号をPLC/HMIへ出力する:「閉じた」を報告する補助接点、イベント記録用の故障信号。これらの信号が「無言の」盤を自己報告する系へ変え、運転と保守を当て推量でなく能動的にする。良い灯/信号の設計は、体裁のための付け足しでなく、きちんとした制御回路の一部だ。
制御回路の供給電源
制御回路は通常、動力回路と分けて24VDC(電源装置経由、#15)か220VAC(制御変圧器/ヒューズ経由)から供給される:
- 24VDCは現代のPLC/センサー/HMIのある回路に一般的——安全で小型。
- 制御変圧器経由の220VACは、AC電磁接触器コイルの伝統的な機器回路によく見る。
- 制御回路は独自の小型ヒューズ/ブレーカーを持ち、一つの短絡が盤全体を落とさないようにする。
制御電源を盤全体で一貫して選び、コイル電圧を誤って取り付けないよう図面(#28)に明記する。
読みやすい制御回路を描く:いくつかの表現の規則
論理的に正しい制御回路でも、雑に描けば読みにくい。図面を読みやすく保守しやすくするいくつかの規則:
- コイルを右に整列: あらゆるコイル/灯をN母線の隣(右)に置き、条件を左に集める。右の列を見れば図面に「結果」がいくつあるか分かる。
- 一分岐に一コイル: 各分岐は末端にコイル/灯を一つだけにし、複数の結果を一分岐に詰め込んで読みにくくしない。
- 機能ごとにまとめる: 関連する分岐(一つの始動器)を近くに置き、見出し/注記を付ける。
- 完全な相互参照(#26): 各コイルの隣にその接点を含む分岐を列挙、接点の隣にコイルを含む分岐を記す。これがたどりを最も速くする。
- 一貫した分岐番号と電線番号(#28): 図面が実際の盤に一致するように。
- 重要な条件を注記: 分岐の意図についての一行の注記(ベトナム語、または日本の顧客には日本語)が、次の人の速い理解を助ける。
良い図面は正しいだけでなく、読む人に運転の物語を語る——それがMINATAが引き渡しで目指す基準だ。
機器回路からPLCへ:同じ論理
機器で制御回路を学ぶうれしい点は、その論理がPLCへそのまま移ることだ。分岐1の自己保持回路はまさにSTのセット/リセットの対(#21)、直列の保護接点は式の中の条件になり、表示灯は実状態から取る出力になる。
PLCへ移るときの違い:
- 電線と機器が減る: 多くの中継リレーやタイマがソフトウェアの変数/ブロックで置き換わる。
- より柔軟: 再配線でなくプログラム編集で論理を変える。
- だが安全はなおハードウェアに: 非常停止、危険負荷のインターロックはなおハード回路を保つ(#09、#22)。
だから機器の制御回路を理解することは、PLCがあっても「時代遅れ」ではない——正しく安全なPLC論理を書くための、そして現場に非常に多い機器+PLCの混在盤を読むための思考の言語だ。両方を押さえる人は、古い純リレー盤から現代のPLC盤まであらゆる盤を読める——現場であらゆる世代の機器を保守・統合するとき大きな強みだ。
参考となる技術シナリオ
以下の図はMINATAの設計思想に沿った参考案である。最終的な定格と構成は、実際の資料・規格・機器に照らして確認すること。
Delta AX-308Eを使うセルでは、一部の論理はなお機器レベル(安全回路、基本の自己保持)にあり、残りはPLCにある。制御図は両方を示す:安全/基礎の始動のための機器分岐と、PLCを接続する入出力(ボタン・センサーが入力、中継リレーが電磁接触器を制御して出力)。表示灯は#09の精神どおり実状態(電磁接触器のフィードバック、VFD)を取る。
明確な作図と一貫した番号付け(#28)のおかげで、保守者は機器部分とPLCとの接点の両方を読み、症状から条件へさかのぼって故障探しする——故障が制御回路、動力回路、プログラムのどこにあっても。
よくある誤り
- 制御回路を切り離して読み、動力回路との結びつきを忘れる。
- コイル回路に保護接点(F1)を忘れる → 過負荷がモーターを切れない。
- 表示灯を実状態でなく指令から配線する(#09)。
- 非常停止/安全を制御回路だけに置き、ハードウェアを切らない。
- 制御電源に対しコイル電圧を誤る。制御回路に独自のヒューズがない。
- 自己保持/Stop優先の構造を壊すように回路を拡張する。
制御回路チェックリスト
- [ ] コイル分岐:Stop(NC)直列、Start(NO)// 自己保持接点、保護(NC)直列。
- [ ] 運転/故障灯を実接点/実状態から取る。
- [ ] 同じ名の機器を動力図へたどる(#29)。
- [ ] 非常停止/安全はこの回路だけでなくハードウェアで切る。
- [ ] 制御電源は一貫し、個別保護を持ち、コイル電圧を明記。
- [ ] 正しい分岐に条件を加えて拡張し、基礎の構造を保つ。
- [ ] 運転/故障/警告灯を合理的に配置。状態信号をPLC/HMIへ出力。
制御回路は、機械の運転の意図が開閉の論理へ書かれる場所だ。それを読み・組めること——動力図との照合とともに——は、制御盤の「頭脳」と「筋肉」の両方を押さえることを意味し、後の段でPLC制御へ進む基礎だ。
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