MINATAと学ぶオートメーション #31:接続図と端子表 — 図面を正しい制御盤に変える
接続図と端子表:図面を正しい制御盤に変える
制御回路図は論理の動き方を教える。接続図と端子表が答えるのは、もっと現実的な問いだ。どの線がどこからどこへ行き、どんな信号を運び、据え付ける人はどの点で確認すればよいのか。ここは、設計図面と制御盤と現場の機械と保全チームをつなぐ橋になる。
据付初日は問題なく動いても、配線に規則がなければ盤はやがて重荷になる。センサーを交換するとき、保全の担当者が一本ずつ線をたどって推測する羽目になってはいけない。良い接続図の目的は単純だ。機器を外し、正しい点に戻し、線番号で確認でき、ほかの部分を壊さないこと。
この記事で学ぶこと
- 原理図、接続図、端子表の違い。
- 現場機器から盤まで、一本の線をたどる読み方。
- 据付と検収を推測ではなく確認で進めるための端子表の作り方。
混ぜてはいけない三層の情報
- 原理図:開閉の条件を説明する。#30 の Start–Stop–KM1 の並びがその例だ。
- 接続図:線の両端を示す。線番号、断面積やケーブル、通過する端子まで。
- 端子表:端子を順に並べ、用途、信号、位置、そして現場側の対応点を書く。
原理図はセンサーB1がPLCの入力X0へ入ることを示せる。接続図はその先を足す。B1の茶を+24Vへ、青を0Vへ、黒をTB2-07へ、TB2-07からX0へ。端子表はTB2-07を、据付時に確認できる一行に変える。
一つの信号を正しくたどる
機器を一つ選び、向きを揃えて読む。機器 → ケーブル → 端子 → 盤内配線 → 入出力または機器。三線式PNPセンサーなら、信号線だけでなく電源側も確認する。
- 機械上の機器記号を確認する。たとえばB1。
- その機器自身のデータシートで、電源の種類と線の色を照合する。
- コネクタや端子を通してケーブルをたどり、芯線番号と端子番号を正確に控える。
- 端子からPLCモジュールまでたどり、その入力グループのCOMの極性が揃っているか確認する。
- 停電状態で導通を確認し、その後、安全手順に従って通電して電圧を測る。
いちばん忘れられやすいのは、共通の0V、シールド、そしてケーブルグランドの接地だ。「X0につないだ」ように見えても、0Vの基準がなければ安定して動かない。
端子表に必要な項目
一行には最低限これだけ入れる。端子記号、極番号、信号名、信号の種類または電圧、盤外の機器、盤内の接続先、据付上の注記。例を挙げる。
| 端子 | 信号 | 盤外 | 盤内 | 注記 |
|---|
| TB2-07 | B1_OUT | センサーB1、黒線 | PLC X0 | DC24V入力 |
| TB2-08 | B1_0V | センサーB1、青線 | 0VDC | 共通電源 |
| TB2-09 | B1_24V | センサーB1、茶線 | +24VDC | グループ保護経由 |
曖昧な原理図を端子表で取り繕わないこと。機器記号、信号名、端子番号は、どの図面でも一致していなければならない。一か所だけ名前を変えることは、次の保全のために不具合を一つ用意することだ。
参考になる現場の一場面
光電センサー、電磁弁、モーターを持つコンベヤ一式なら、端子をグループで分けるのが素直だ。DC24Vの電源、入力、出力、シールドとPE。機械へ出る線は端子を通し、盤内の短い線はPLC、補助リレー、電源へ向かう。こうしておけば、センサー交換のときに担当者は該当のTBグループだけを触ればよく、盤内の論理部分に手を入れずに済む。
これは参考となる原則だ。極数、断面積、線色の基準、保護等級、電源分離の規則は、機械の図書、適用する規格、実際の機器のデータシートで確定させる。
よくある失敗
- 機器記号や信号名を統一せず、「センサー1」とだけ書く。
- 現場の線を端子を介さずPLCへ直結し、試験も交換もできなくする。
- 動力配線と制御信号で端子台を共用する。
- COM、0V、シールドを端子表から落とす。
- 据付が済んでから線番号を振り、図面と盤が食い違う。
盤を閉じる前のチェックリスト
- [ ] 盤外へ出る線はすべて、両端を図面上で特定できる。
- [ ] 線番号、端子、機器、PLCのタグが一致している。
- [ ] 電源、0V、PEとシールドを分けて示し、規則が明確である。
- [ ] 入出力、電源、動力のグループを分け、安全に作業できる。
- [ ] 試運転の前に導通、極性、線のラベルを確認している。
良い接続図は機械を賢くはしないが、据付と不具合探しと拡張のリスクを大きく減らす。それがMINATAの言う技術品質の一部だ。後から来た人が読めて、確認できて、引き継げること。
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