MINATAと学ぶオートメーション #33:PLC入力のPNPとNPN — 配線の前に極性を読む
PLC入力のPNPとNPN:配線の前に極性を読む
三線式のセンサーは見た目がまったく同じでも、感覚で配線することはできない。PNPとNPNの違いは、出力がどちら向きに電流を流すか、そしてPLC入力グループのCOMがどこを基準にしているかにある。逆に配線すれば、入力は入りっぱなしになるか、いつまでも入らないか、最悪の場合は機器を壊す。
この記事で学ぶこと
- PNPとNPNで実際に違うのはどこか。
- 配線の前に、センサーと入力モジュールとCOMを確認する手順。
- 信号がちらつく、あるいはPLCまで届かない原因になる失敗。
PNPとNPNとは
- PNP(ソース): 動作したとき、出力が正側を入力へ送り出す。
- NPN(シンク): 動作したとき、出力が入力を0Vへ引き下げる。
原理として「どちらが強い」ということはない。大事なのは、センサーと入力モジュールがメーカーの図に照らして適合していることだ。ソースとシンクという言い方は、センサー側から見る場合と入力側から見る場合があり、資料をまたぐと意味が反転して見える。名前だけで結論を出さず、両方のデータシートにある実際の結線図を見ること。
DC24V入力を配線する手順
- 銘板とデータシートを読む。電圧、出力の種類、線の色、負荷電流、a接点かb接点かの論理。
- PLCのモジュールと、その入力グループのCOM端子を特定する。
- +24V、0V、出力を図のとおりに結線する。別の規格の機器なら、線の色を推測しない。
- 信号線をPLCへ入れる前に、センサー側で電源を測る。
- センサーのLED、入力モジュールのLED、プログラムのオンライン状態を順に見る。
この三つの表示が、そのまま診断の流れになる。センサーは対象を見ているか、信号はモジュールまで来ているか、プログラムは正しいアドレスを使っているか。
a接点とb接点は「安全な状態」で選ぶ
センサーのa接点/b接点は、物の状態として読む。機械的に「安全か危険か」で決めるものではない。ワークの有無を確かめるセンサーなら、ワークがあるときONになるa接点でよい。機構の存在を監視するセンサーでは、断線が見つけやすい異常状態になるように論理を選ぶこともある。安全回路そのものは、適切な安全機器と構成で作る必要があり、普通のセンサー接点から推し量ってはいけない。
PNPとNPNの比較
| 観点 | PNP(ソース) | NPN(シンク) |
|---|
| 動作したとき | 信号ピンへ+24Vを出す | 信号ピンを0Vへ引く |
| 出力電流の向き | センサーから入力へ | 入力からセンサーへ |
| 適合する入力モジュール | シンク型、COMは0V | ソース型、COMは+24V |
| ON時に信号ピンで測ると | 0V基準でおよそ+24V | +24V基準でほぼ0V |
| よく見る場面 | 欧州の流儀の機械 | 日本の機械に多い |
落とし穴はモジュールのCOMにある。シンク型の入力モジュールはCOMが0Vで、PNPのセンサーを受ける。ソース型はCOMが+24Vで、NPNのセンサーと組む。同じPLCの系列でも、入力グループごとにCOMの取り方が違うことがあるので、センサーを手配する前にモジュール図のCOM端子を読むこと。
二線式センサーと漏れ電流
二線式センサーはスイッチのように直列に入る。配線は減るが、OFFのときも内部回路を保つためにわずかな 漏れ電流 が流れ、ONのときには 最小負荷電流 が要る。入力のインピーダンスが高ければ、漏れ電流だけでONと読まれることがある。逆に電流の小さい入力では、センサーが正しく働くための最小電流に届かないことがある。二線式を使うときは、データシートの漏れ電流と最小電流を入力モジュールの仕様と突き合わせる。合わなければブリーダ抵抗を足すか、三線式へ替える。
参考になる現場の一場面
コンベヤにPNPの光電センサー、DC24Vの電源、正側を受けるPLC入力がある。端子表には三本すべてを書く。+24V、0V、B1_OUT。試運転では光をさえぎり、センサーのLED、入力のLED、ビットX0の順に確かめる。センサーのLEDは変わるのに入力のLEDが変わらないなら、原因は配線かCOMか極性であって、PLCの論理ではない。
実際の設計は、選定したセンサーの型式と入出力モジュールの結線図に従うこと。
よくある失敗
- 茶・青・黒の線を見て、データシートを読まずにつなぐ。
- HMIの表示だけ見て、センサーとPLCのLEDを見ない。
- 規則のないまま0Vを共用し、不具合探しを難しくする。
- a接点/b接点を、センサーの表示LEDの色と取り違える。
- 電源電圧を測る前にセンサーを入出力へつなぐ。
チェックリスト
- [ ] 実際の型式のデータシートと端子図が手元にある。
- [ ] PNP/NPNの種別と入力のCOMが適合している。
- [ ] DC24Vの電源は極性が正しく、保護があり、ラベルが付いている。
- [ ] センサー、モジュール、PLCのタグの三段で試験した。
- [ ] 端子番号と線番号が #31 の端子表と一致している。
初日に入力を正しくしておけば、不具合探しの時間が大きく減る。入力の次は #34 で出力に入る。リレーかトランジスタか、そしてどんなときに補助リレーを挟むのか。
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