MINATAと学ぶオートメーション #36:アナログ信号 0〜10Vと4〜20mA — 連続値を推測せずに読む
アナログ信号 0〜10Vと4〜20mA:連続値を推測せずに読む
デジタル入力はONかOFFかしか答えない。圧力がいくつか、タンクの液位はどこか、温度がどう動いているか、速度指令はいくつか。そういうときに制御系は アナログ信号 を使う。よく使われるのは0〜10Vと4〜20mAの二つだ。これらが信用できるのは、モジュールと配線の方式と、PLCやHMIでの換算がすべて噛み合ったときだけである。
0〜10Vと4〜20mAの違い
- 0〜10V: 測定値に比例する電圧。速度指令、距離センサー、盤内の機器でよく見る。電圧降下と長い配線でのノイズに弱い。
- 4〜20mA: 測定値に比例する電流。4mAはライブゼロなので、構成によってはそれを下回る値から断線を見つけられる。長い配線とノイズの多い環境では、こちらが向くことが多い。
線を替えるだけで0〜10Vを4〜20mAにはできない。センサー、入力モジュール、電源の方式(二線式・三線式・四線式)、測定の設定がすべて合っている必要がある。
PLCの中での換算
モジュールが返すのは生の値で、工業単位に直すのはプログラムの仕事だ。0〜10barを測る4〜20mAの伝送器なら、4mAが0bar、20mAが10bar。式にはモジュール実物の生値の範囲を使い、HMIにはbarと警報の上下限、そしてフィルタ後の値を表示する。
三つは必ず一緒に資料化する。センサーの範囲、モジュールの範囲、表示の範囲。HMIが0〜10barと書いてあるのにプログラムが0〜16barで換算していれば、機械は誤った運転をしながら、見た目はもっともらしいままになる。
配線とノイズ対策
- メーカーの図で、入力がアクティブかパッシブか、COMがどこかを確認する。
- アナログの配線はモーターやインバータのケーブルから離す。必要ならシールド線を使う。
- シールドは系統の規則どおりに接地する。両端をむやみにつないで接地ループをつくらない。
- センサーには正しい方式で給電し、4〜20mAならループ電流も確認する。
- デジタルフィルタは適度に。強すぎれば制御が鈍り、弱すぎればHMIの数字が震える。
アナログ規格の比較
| 規格 | 特徴 | ノイズと長距離 | 断線の検知 |
|---|
| 0〜10V | 比例電圧。盤内でよく使う | 弱い。電圧降下に敏感 | 難しい。0Vが低い値と区別できない |
| 0〜20mA | 比例電流 | 良い | できない。0mAが有効な値 |
| 4〜20mA | 比例電流。4mAがライブゼロ | 良い。現場ではこちらが優先 | できる。4mA未満は断線や異常を示唆 |
| ±10V | 双方向の電圧。向きを持つ速度指令に | 中くらい | 難しい |
換算の式と数値の例
モジュールの生値を工業単位へ、直線で内挿する。
EU = EU_min +(raw − raw_min)×(EU_max − EU_min)/(raw_max − raw_min)
0〜10barを測る4〜20mAの伝送器で、アナログモジュールが4〜20mAの範囲を0〜32000で返すとする。12mA、つまり範囲の中央では生値がおよそ16000なので、EU = 0 + 16000 ×(10 − 0)/ 32000 = 5.0bar。生値の範囲はメーカーごとに違うので、実際の型式のraw_minとraw_maxを必ず確認すること。
二線式・三線式・四線式の伝送器
- 二線式(ループ給電): 電源と信号が4〜20mAの一対を共有する。配線は減るが、ループ電圧が足りている必要がある。
- 三線式: 電源は別で、信号は0Vを共有する。0〜10Vや0〜20mAのセンサーでよく見る。
- 四線式: 電源と信号を完全に分ける。独立した電源が要る計測器に使う。
給電の方式が、入力モジュールをアクティブにするかパッシブにするかを決める。配線の前にメーカーの図を読むこと。
参考になる現場の一場面
圧縮空気のタンクに4〜20mAの伝送器がある。PLCは換算した値で圧力を表示し、上下限の警報を出し、圧力が足りるまで工程を止める。試運転では、範囲の中央一点だけでなく、いくつかの点で標準の圧力計とPLCの値を突き合わせる。
警報のしきい値、許容誤差、接地の構成は、工程の要求、実際の計器、安全の文書に従うこと。
アナログのチェックリスト
- [ ] 0〜10Vか4〜20mAか、センサーの種類とモジュールを明確にした。
- [ ] 工業単位の範囲、生値の範囲、単位、警報の上下限を記録した。
- [ ] 配線とシールドをノイズ源から離した。
- [ ] 一点ではなく複数の基準点で換算を確認した。
- [ ] 範囲外や断線の表示が、モジュールで実際に検知できる範囲と合っている。
アナログは、電源の質と配線とソフトが出会う場所だ。この次の #37 ではインバータに入る。デジタルとアナログの両方の制御を絶えず使う機器である。
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