MINATAと学ぶオートメーション #47:制御盤の配置設計 — 熱と配線と保全のために場所を空ける
制御盤の配置設計:熱と配線と保全のために場所を空ける
制御盤の配置が、機械がどれだけ涼しく回るか、配線がどれだけ読めるか、そしてどれだけ長く保全できるかを決める。空いた隙間に機器を押し込んだ盤は、組み立てた日には扉が閉まる。そのあとで、一か所だけ熱くなり、線を追おうとしても追えず、修理のたびに周りごと外す羽目になる。
箱ではなく、機器の一覧から始める
寸法を決める前に、機器の一覧をつくる。外形、発熱、そして メーカーが求める離隔 を入れる。発熱を足し合わせて必要な冷却を出し、そのうえで箱と冷やし方を選ぶ。先に決めた箱へ機器を押し込むことが、熱だまりと配線の混乱の始まりである。
盤の中の区分け
盤を機能ごとの区画に分け、雑音の源と弱い信号のあいだに距離を取る。
| 区画 | 機器 | 備考 |
|---|
| 動力 | 断路器、電磁接触器、インバータ | 雑音が大きく、発熱も大きい |
| 制御 | PLC、入出力、リレー | 動力の区画から離す |
| 弱い信号 | アナログ、通信 | インバータや接触器からできるだけ遠く |
| 現場との接続 | 端子台 | 下辺に沿って置き、確かめやすくする |
雑音の源はインバータと電磁接触器である。PLC、アナログの機器、通信のケーブルから離して置く。
熱、ダクト、保全
- 熱: いちばん熱くなる機器は風の通るところへ置き、対流のための離隔を空け、盤の冷却は実際の熱負荷に合わせて選ぶ。
- ダクト: 取り付ける前に経路を決め、あとで足す分として二割から三割の余裕を残し、動力と信号のダクトを分ける。
- 保全: 手と工具が端子台まで届く場所を空け、周りをばらさずに機器を交換できるようにする。
参考になる現場の一場面
ある盤では、電源とインバータを風の通る専用の区画に置き、PLCと入出力を制御の区画に、端子台を下辺に沿って並べている。現場からのケーブルはまっすぐ入り、測定もしやすい。信号のダクトは動力のダクトと別に走り、どの機器にも保全のための離隔が残っている。
箱の寸法、離隔、熱負荷、冷却の方法は、最終的に機器の資料と実際の設置環境に従う。
よくある間違い
- 先に箱を決め、残った隙間に機器を押し込む。
- インバータや電磁接触器を、PLCやアナログの機器のすぐ隣に付ける。
- 熱の計算を省き、負荷をかけてから熱だまりに気づく。
- ダクトに余裕がなく、機能を足すたびに入れ替えになる。
- 保全の空間を残さず、修理のたびに周りをばらす。
配置のチェックリスト
- [ ] 外形、発熱、離隔を書いた機器の一覧がある。
- [ ] 熱負荷を計算し、見合う冷却の方法を決めた。
- [ ] 動力、制御、信号、端子台の区画がはっきり分かれている。
- [ ] ダクトが雑音と信号を分け、余裕を残している。
- [ ] 保全と機器の交換のための場所がある。
よい配置は、涼しく回り、保全できる盤の土台である。次の #48 では接地とシールドに入る。分かったつもりになりやすい決まりの多い話だ。
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