MINATAと学ぶオートメーション #50:盤の配線検査 — 試運転は最初の通電より前に始まっている
盤の配線検査:試運転は最初の通電より前に始まっている
盤の配線検査は試運転の最初の部分であり、それは 最初に電気を入れる前 から始まっている。電気の入っていない状態で見つかった配線の誤りは、数分で済む。同じ誤りを通電後に見つければ、機器を壊すか、人を傷つけることになりかねない。
検査の三段階
電気の試運転を三つの段階に分ける。まとめてはいけない。
- 無電圧の検査: 付いている機器を図面と突き合わせ、表示を確かめ、指定の締付トルクで端子を締め、手順にしたがって導通と絶縁を測り、保護接地を確かめる。
- 通電しての検査: まだ機械は動かさない。電源の電圧、極性、相順、24Vの直流電源、機器の電源表示を確かめる。動くものを動かすのはそのあとである。
- 機能の試験: 安全な状態で動かし、入出力を一点ずつ試し、動く部分を寸動で確かめ、インターロックと安全機能を検証する。
検査中の安全
施錠と表示による停止措置 を行い、測定はしかるべき手順で、能力のある人が行う。チェック表が、安全を飛ばすことを正当化する書類になってはいけない。「合格」の一つひとつが、実際に行った検査の結果でなければならない。インバータやPLCのような電子機器を通した絶縁の測定は、機器の資料が許す範囲でだけ行い、必要なら切り離す。
記録が、そのまま完成図書になる
段階ごとに、誰が行ったか、結果、異常だった点、どう手当てしたかを記録する。現場で直したことは図面へ戻し、実際の姿を写した図書にする。盤の中だけ直して、図面が現実から静かにずれていくのがいちばんまずい。
参考になる現場の一場面
機械を動かす前に、担当者は機器の表示を図面と突き合わせ、指定のトルクで端子を締め、保護接地と絶縁抵抗を測り、そのうえで安全な状態のまま入出力を一点ずつ試す。出力を強制するのは、動く部分を切り離してあるところだけである。無電圧の検査と通電しての検査に合格して初めて、機械は機能の試験へ進む。
順序、測定、合否の基準は、安全の手順、適用される規格、機器の説明書に従う。
よくある間違い
- 「動くか見てみよう」とすぐ通電し、無電圧の検査を飛ばす。
- 指定のトルクで端子を締めず、発熱と接触の緩みを招く。
- 資料が求める切り離しをせずに、インバータやPLCを通して絶縁を測る。
- チェック表を形だけの書類とみなし、測らずに合格と書く。
- 盤の中で直したのに、完成図書を更新しない。
配線検査のチェックリスト
- [ ] 施錠と表示による停止措置を行い、測定が正しい手順に沿っている。
- [ ] 無電圧の検査:図面、表示、締付トルク、保護接地、絶縁。
- [ ] 通電しての検査:電圧、極性、相順、24Vの直流電源。
- [ ] 安全な状態での、入出力と動く部分ごとの機能の試験。
- [ ] 結果と異常を記録し、完成図書を更新した。
規律のある試運転は、通電の日に事故を起こさないための、いちばん安上がりな方法である。次の #51 では、24Vの直流電源の不具合を、順序立てて測りながら切り分ける話に入る。
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