MINATAと学ぶオートメーション #55:HMIの警報設計 — 良い警報は、行動につながらなければならない
HMIの警報設計:良い警報は、行動につながらなければならない
良い警報は、運転者を 正しい行動 へ導く。「何かがおかしい」と知らせるだけでは足りない。同じ重みの警報で埋まった画面、意味の取れない名前、どうすればよいかの手がかりのなさ。それは、とりあえず全部確認して先へ進む、という習慣を運転者に教え込む。本当に大事な日にも、同じことが起きる。
結果の重さで優先度を分ける
安全が失われたこと、保全の予告、運転上の知らせを、同じ重みにしてはならない。結果の重さと、どれだけ早く動かなければならないかで分ける。
| 優先度 | 意味 | 運転者がすること |
|---|
| 重大 | 安全が失われた。機械が止まった | ただちに介入する |
| 高 | 周期が止まる異常 | 早めに処置。保全が要ることもある |
| 注意 | しきい値が近い。保全の時期 | 見守り、計画する |
| 情報 | 運転上のできごと | 記録する。介入は要らない |
警報の文言は三つを語る
名前と本文に、どの機器か、どんな条件か、まず何をするか を入れる。「投入コンベヤ:材料待ちの時間超過 — センサーB3と材料の供給を確認」。これは「異常102」よりはるかに役に立つ。夜勤の人が異常番号の表を頭に入れているわけではない。
警報が一斉に鳴るのを抑える
一つの根本の異常が、後続の警報を数珠つなぎで引き連れてくると、運転者は原因を見失う。根本の原因ごとに警報をまとめ、揺れる信号には適度な遅れを入れ、そもそも介入の要らない条件では警報を出さない。残った警報は、どれも見る価値がある。それが目標である。
記録を取り、設計を良くする
警報が 出た時刻、確認された時刻、消えた時刻 を記録する。どの警報がよく鳴るか、どれが長く放置されるか、どこを運転者の我慢ではなく設計で直すべきかが、その記録から見えてくる。
参考になる現場の一場面
コンベヤが材料を待って時間超過になったとき、HMIはどのコンベヤか、どのセンサーを見るか、機械のどの段で止まっているかを示す。「異常102」という番号だけではない。運転者は見るべき場所へ直行できる。一週間の記録を見ると、そのセンサーだけが飛び抜けて鳴っており、取り付け位置を直す判断につながった。
警報の一覧、優先度、文言は、その系の警報の考え方と運転の要求に従う。
よくある間違い
- すべての警報が同じ重みで、結果による区別がない。
- 名前が番号だけで、機器も対処も示していない。
- 一つの異常が後続の警報を連れてきて、画面が埋まる。
- 介入の要らない条件にまで警報を出し、雑音を増やす。
- 記録がなく、どの警報を直すべきか分からない。
警報設計のチェックリスト
- [ ] 結果の重さと反応の速さで警報を分けた。
- [ ] 文言に機器、条件、最初の一手が入っている。
- [ ] 一斉に鳴るのを抑える工夫があり、根本の原因でまとめている。
- [ ] 発生、確認、復帰の時刻を記録している。
- [ ] 記録を定期的に見直し、設計を良くしている。
行動につながる警報が、信用できる警報である。次の #56 では監視制御へ視野を広げる。たくさんの機械の状態を、運転に使える情報へ変える話だ。
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