MINATAと学ぶオートメーション #57:制御盤での電力計測 — 一つの数値から、消費を減らす判断まで
制御盤での電力計測:一つの数値から、消費を減らす判断まで
盤で電力を測ることに意味が出るのは、電力量の数値が判断につながるときだけである。月ごとの合計は、生産量も稼働時間も負荷の条件も期ごとに違うなら、ほとんど何も語らない。
比べる前に、そろえる
生産量の違う二日の電力量を、そろえずに比べてはいけない。役に立つのはたいてい 製品一つあたりの電力量、あるいは稼働一時間あたりの電力量であって、合計そのものではない。電気を多く使った日は、単に多く作った日かもしれない。そろえて初めて、機械が本当に効率を落としているのかが見える。
電力を機械の状態に結びつける
運転中、待機、異常の状態と一緒に電力を記録すると、三つを切り分けられる。
- 底の消費: 待機しているあいだに流れているぶん。ファン、制御、待ち時間。底が不自然に高ければ、そこが節約の余地である。
- 生産に伴う消費: 負荷がかかると増えるぶん。生産量におおむね比例する。
- 異常: 生産量とまるで無関係に跳ね上がるぶん。機械が重い、摩擦がある、設定が違う、といったことを示唆する。
測ることから、動くことへ
データが元を取るのは、そこから仕事が生まれるときだけだ。待機中に機器を切って底を下げる。電流の増え方からモーターが重くなっているのを見つける。電気料金の高い時間帯を避けて予定を組む。測って何もしないなら、図が一枚増えただけである。
参考になる現場の一場面
ある盤には、モドバスで読む電力計が付いている。PLCは電力量を、生産の数と機械の状態と並べて記録する。画面が追うのは月の合計ではなく、製品一つあたりの電力量 である。生産量が変わらないのにこの値が上がったとき、担当者は「この機械は電気を食う」と結論する前に、機械側の負荷とインバータの設定を確かめた。
測り方、そろえ方、しきい値は、計測器、生産の工程、節約の目標に従う。
よくある間違い
- 生産量の違う期間で、電力量の合計を比べる。
- 運転中と待機に結びつけず、底の消費を切り分けられない。
- 測るだけで、そこから何の行動も出てこない。
- 待機しているあいだの底の消費を放っておく。
- 機械側の負荷を確かめる前に「電気を食う機械だ」と決めつける。
電力計測のチェックリスト
- [ ] 指標が合計ではなく、製品あたりか稼働時間あたりになっている。
- [ ] 電力のデータが運転中・待機・異常の状態と結びついている。
- [ ] 底の消費、生産に伴う消費、異常を切り分けられる。
- [ ] 異常ごとに、対応する確認の手順がある。
- [ ] 計測が、消費を減らす具体的な行動につながっている。
そろえて測ることが、節約の判断に変わる。次の #58 では設備総合効率のデータに入る。割合を計算する前に、状態を定義しなければならないという話だ。
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