MINATAと学ぶオートメーション #63:順序制御の組み方 — 工程の流れから、段と条件と制限時間へ
順序制御の組み方:工程の流れから、段と条件と制限時間へ
よい自動の周期は、作業手順書のように読める。いまどの段にいるのか、どの条件を待っているのか、どれだけ過ぎたら止まるのか、そのとき何を知らせるのか。順序の組み立ては工程の流れから始まる。ラダーの回路を一段ずつ継ぎ足すことからではない。
周期を、それ以上割れない段に分ける
中間の記憶でつなぎ合わせた大きな理屈の塊ではなく、目的を一つだけ持つ段に分ける。条件を待つ、材料をつかむ、つかんだことを確かめる、加工する、終わったことを確かめる、材料を放す。段ごとに、自分が何をしていて次がどの段かが分かる。だから運転中の追跡も、引き渡しもずっと楽になる。
遷移を成す三つの要素
段と段のあいだの遷移には、三つが要る。
- 成立の条件: どの信号があれば次の段へ進んでよいのか。
- 待つ時間の上限: その中で条件が成立しなかったとき、どうするのか。
- 失敗したときの処置: 必要な動力を断ち、警報を出し、失敗した段の跡を残す。
上限の時間がないことが、「機械が黙って立ち止まっている」の出どころである。失敗したときの処置がないことが、終わっていない段の先で誤った動きが起きる出どころである。
SFCと、段で考えること
この組み立て方は、IEC 61131-3のシーケンシャル・ファンクション・チャートに近い。段と遷移が直列に並び、必要なら分岐や並行の道も持つ。SFCで書いても構造化テキストで書いても、考え方は同じである。動きの決まった段と、条件の決まった遷移。絡み合った記憶の束ではない。
参考になる現場の一場面
つかんで置く工程で、つかんだことを知らせるセンサーが制限時間の中で応えなかったとき、PLCは次の段へ 進まない。必要な動力を断ち、失敗した段を名指しした警報を出し、「段3:つかみの確認待ちが時間超過」、そして状態を保って担当者が追えるようにする。運転者には、どの段で詰まっているかがそのまま見える。黙って立ち止まった機械ではなく。
段の数、条件、制限時間は、工程、機構、実際のリスクアセスメントに従う。
よくある間違い
- 記憶を足しながらラダーを伸ばし、段の区切りがない。
- 遷移に制限時間がなく、止まったまま何も知らせない。
- 失敗したときの処置がなく、終わっていない段の先へ進んでしまう。
- 一つの段に目的をいくつも持たせ、失敗したときに追えない。
- 失敗した段の跡を残さず、切り分けの手がかりがない。
順序制御のチェックリスト
- [ ] 周期を、目的を一つだけ持つ段に分けた。
- [ ] どの遷移にも、成立の条件と制限時間がある。
- [ ] 失敗したときの処置がある。動力を断ち、警報を出し、跡を残す。
- [ ] いまの段と失敗した段が、どちらもHMIで見える。
- [ ] 理屈が手順書のように読め、追えて、引き渡せる。
段のはっきりした順序は、動かしやすく、切り分けやすい機械の土台である。次の #64 では、しばしば一つに混ぜられる二つの考えを分ける。インターロックと、許可の条件である。
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