MINATAと学ぶオートメーション #64:インターロックと許可の条件 — 始めてよい条件と、止めるべき条件
インターロックと許可の条件:始めてよい条件と、止めるべき条件
許可の条件もインターロックも条件ではあるが、答えている問いが違う。この二つを分けておくと、理屈が検証でき、HMIが自分で説明でき、何にでも使い回される「安全の接点」が一つだけ、という状態を避けられる。
二つの違う問い
- 許可の条件 が答えるのは、「始めてよいか」である。空気の圧力が足りている、盤に異常がない、扉が閉じている。始める 前に 確かめる。
- インターロック が答えるのは、「動いているあいだ、どの条件が動作を妨げるか、止めるべきか」である。動作の 最中に 見張り、条件が失われたときに介入する。
同じ信号が両方の役を担うこともあるが、結果は違う。許可の条件は始動を阻み、インターロックはすでに動いているものを止める。
動きごとに一覧にする
危険を伴う動きごとに、次を書き出す。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 危険 | 手を挟む、ぶつかる、荷が落ちる |
| 始める前の条件 | どの許可の条件が成立していなければならないか |
| 保たれるべき条件 | 動作中にどのインターロックが見張るか |
| 条件が失われたときの動き | 停止、保持、安全な状態へ |
| 復帰 | もう一度動かすために運転者が何をするか |
リスクアセスメントを、ソフトのインターロックで置き換えない
PLCにインターロックを並べても、たいていは、等級に見合った安全機能の代わりにはならない。人に及ぶ危険は、安全機器と、評価した水準に見合う構成で扱う。普通のPLCの中のインターロックは、多くの場合、工程と設備を守るためのものだ。安全の仕組みを補うのであって、置き換えるのではない。
参考になる現場の一場面
ある加圧の工程では、「空気の圧力が足りている、扉が閉じている、異常がない」が始動を許す条件になっている。動いているあいだは、インターロックが位置のセンサーを見張る。材料が許された範囲から外れたら、押し込む動きは阻まれ、機械は安全な状態へ移り、HMIはどのインターロックが働いたかを名指しする。人に及ぶ危険は、専用の安全回路が引き続き守っている。
許可の条件とインターロックの一覧、そして条件が失われたときの動きは、リスクアセスメントと適用される規格に従う。
よくある間違い
- 許可の条件とインターロックを、一つの「安全の接点」にまとめる。
- 始動のときだけ条件を見て、動作中は見張らない。
- 人を守る安全機能を、普通のPLCのインターロックで代える。
- インターロックが働いたのに、HMIがどの条件を失ったか言わない。
- インターロックで止まったあとの復帰の道筋が決まっていない。
チェックリスト
- [ ] 動きごとに、許可の条件とインターロックを別々に並べた。
- [ ] 始動のときだけでなく、動作中も条件を見張っている。
- [ ] 人に及ぶ危険を、PLCの理屈だけでなく等級のある安全機能で覆っている。
- [ ] 失われた条件を、HMIが名指しする。
- [ ] インターロックで止まったあとの復帰の道筋が決まっている。
始めてよい条件と、してはならない条件を分けることが、説明できる機械の理屈をつくる。次の #65 では手動と自動、そして段差なく切り替える話に入る。
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