MINATAと学ぶオートメーション #74:バーコードと追跡 — 読み取りを、文脈のあるデータへ
バーコードと追跡:読み取りを、文脈のあるデータへ
一度の読み取りに値打ちが出るのは、その符号が何を指し、どこで、いつ読まれ、どの判断に使われるのかを系が知っているときだけである。先に読み取り機を付けて、データはあとで考える。そうすると、誰も安全には使えない文字の並びが流れてくるだけになる。
データの取り決めを先に設計する
読み取り機を取り付ける前に、データの取り決め を設計する。符号の構造、参照する基準の情報、ロットや個体の番号、桁数、使ってよい文字、有効な状態、データの出どころ、そして一致するものがなかったときの応え方。読み取り機が文字列を読めることは、PLCや生産管理の仕組みがその文字列を安全に使えることを意味しない。機械に影響を与える前に、必ず確かめる。
読み取りを、工程と状態に結びつける
読み取りの場所ごとに、どの工程か と、機械の どの状態か を結びつける。材料を機械へ読み込ませるとき、系はいまの生産条件、注文、必要なら作業者や役割、そして照合の結果を知っていなければならない。この注文に対して正しい材料か、ということだ。同じ符号でも、読む場所が違えば意味が違う。
誤りの扱いと記録
読んだ符号が無効なとき、あるいは注文と合わないとき、系ははっきりと応え、それを記録する。跡を残さないまま、通るまで読み直させてはいけない。追跡が信用できるのは、読み取りの一つひとつが、失敗した分も、押し切った分も含めて、記録を伴っているときだけである。誰が、いつ、どこで、結果はどうだったか。
参考になる現場の一場面
投入の工程で、作業者が材料のロットの符号を読ませる。系は、いま流している注文の生産条件と突き合わせる。合っていれば投入を許し、ロットをその製造分の履歴に書き込む。合っていなければ、HMIが「材料が注文と一致しません」と出して段を止め、失敗した読み取りも記録する。のちに完成品のロットをたどれば、そこに入った材料がそのまま出てくる。
符号の構造、照合の決まり、保管の仕方は、追跡の要求と、関わる生産管理の仕組みに従う。
よくある間違い
- データの取り決めを設計する前に、読み取り機を取り付ける。
- 読んだ文字列を、確かめずに機械へ効かせる。
- 読み取りの場所を、工程と機械の状態に結びつけない。
- 記録を残さないまま、通るまで読み直させる。
- ロットや個体の番号を製造分に結びつけて残さず、追跡できなくなる。
チェックリスト
- [ ] データの取り決めがある。符号の構造、基準の情報、有効の決まり。
- [ ] 読んだ文字列は、機械に効く前に確かめられている。
- [ ] 読み取りの場所が、工程、状態、生産条件、注文に結びついている。
- [ ] 読み取りの誤りに、はっきりした応えと記録がある。
- [ ] ロットや個体の番号を、製造分に結びつけて残している。
文脈のある読み取りが、動作を追跡できるデータに変える。次の #75 ではOPC UAに移る。PLCを上の仕組みへつなぐ前に、データをどう形づくるかという話だ。
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