MINATAと学ぶオートメーション #78:保全のための遠隔接続 — 離れて支えながら、権限と証跡を保つ
保全のための遠隔接続:離れて支えながら、権限と証跡を保つ
遠隔からの支援は、停止している時間をかなり縮めうる。ただしそれは、常に開いたままの扉ではなく、許可され、記録される手順になっているときの話である。便利だからと開けたままにした遠隔の経路は、常にそこにある危うさになる。
誰が、どこへ、いつ、何をするのか
遠隔の接続を開ける前に、四つに答える。誰が つないでよいのか。どの仕組みへ か。どの時間の範囲で か。そして 何をするため か。監視の画面を読む権限と、PLCにつないで中を見る権限は別である。中を見る権限と、プログラムを書き込む権限もまた別である。役割ごとに、その仕事に要る最小限の権限だけを持たせる。
管理された構成
健全な遠隔接続の構成には、たいてい次がある。
- 管理された接続点。 踏み台となる計算機か、管理された仮想の専用線。PLCへ直に口を開けることはしない。
- 複数の要素による本人の確認。 仕組みが許す範囲で。
- 接続の記録。 誰が、いつ、何をしたか。
- 現場の責任者による承認。 支援の一回ごとに。
- 現場側から切れること。 必要なときに。
利用者を共有しない
一つの業者向けの利用者を、あらゆる機械とあらゆる人で使い回さない。何かが起きたとき、意図しない変更があったときに、共有された利用者では誰が何をしたのかを立てられなくなる。人ごと、役割ごとに別の身元があること。それが、意味のある証跡の前提である。
参考になる現場の一場面
ある機械に、メーカーの助けが要る不具合が出た。業者の技術者は、現場の責任者が一回分を承認したうえで、管理された踏み台を通してつなぐ。権限はその機械とその作業に限られ、接続は記録される。作業が終われば接続は閉じられる。記録には、誰が入って何をしたかが残るので、あとで機械に変化があったときに突き合わせられる。
構成、権限の分け方、承認の手順は、組織の方針に従う。
よくある間違い
- 便利だからと、遠隔の経路を開けたままにする。
- 外からPLCへ、直に口を開ける。
- 読むだけでよい役割に、書き込みの権限まで与える。
- 一つの業者向けの利用者を、あらゆる機械で使い回す。
- 接続を記録せず、変化があったときに突き合わせられない。
チェックリスト
- [ ] 誰が、どの仕組みへ、いつ、何をするのかを決めた。
- [ ] 接続が管理された点を通り、PLCへ直に口が開いていない。
- [ ] できる範囲で、複数の要素による確認と接続の記録がある。
- [ ] 支援の一回ごとに、現場の責任者が承認している。
- [ ] 人と役割ごとに身元があり、利用者を共有していない。
管理された遠隔接続は、距離を弱みではなく強みに変える。次の #79 では工場と現地の立会検査に入る。証拠に裏づけられた合格の話である。
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