MINATAと学ぶオートメーション #79:立会検査の証拠 — チェック表を、証拠に変える
立会検査の証拠:チェック表を、証拠に変える
工場での立会検査と現地での立会検査は、動くかどうか機械を二度入れてみることではない。要求から結果へ、そして残っている項目へと、たどれる連なりである。きちんとやれば、客と製作側の双方に、機械が求められたものを満たしているという同じ客観的な証拠が残る。
工場での検査は、凍結した要求から始まる
工場での検査は、利用者の要求、機能の仕様、入出力の一覧、安全の考え方、図面、そして 凍結した ソフトの版から始める。変わり続けている版に対して試験しても、結果に意味はない。試験の一つひとつに、前提の条件、行うこと、期待する結果、実際の結果、証拠、立ち会った人、そして合否が要る。
要求から結果へ、たどれるように
大事な要求は、それを示す試験に少なくとも一つは結びつける。検収の場で、双方が「この要求はあの試験で示され、結果はこうだった」と読める。印象で言い争わずに済む。まだ達していないものは 残項目の一覧 に載せ、受け持つ人と進め方を添える。
現地での検査は、現地の条件を試す
現地での検査は、同じことを本当の条件のもとで確かめる。電源や空気といった用役、配置、本物の材料、前後の設備とのつなぎ目、作業者の動き方、そして環境。工場のチェック表をそのまま持ってきて、本当に据え付けたときにだけ現れる危うさを飛ばしてはいけない。隣の機器からの雑音や、試験の見本とはふるまいの違う実際の材料である。
参考になる現場の一場面
ある機械は、凍結したソフトの版で工場の検査を受けた。機能ごとに証拠と立ち会う人がいて、いくつかの項目は残項目の一覧へ移った。現地では、実際の条件に左右される試験、つまり用役、材料、前後の設備との受け渡しをやり直し、残項目を閉じた。検査の記録は、済ませるために署名した紙ではなく、証拠になった。
試験の範囲、判定の基準、証拠は、契約、要求、適用される規格に従う。
よくある間違い
- 凍結していないソフトや図面に対して試験する。
- 期待する結果も証拠もない試験をする。
- 要求と試験を結びつけず、印象で検収する。
- 工場のチェック表をそのまま現地へ持ち込み、現地の危うさを飛ばす。
- 残項目の一覧がない、あるいは受け持つ人がいない。
チェックリスト
- [ ] 工場での検査が、凍結した要求と版から始まっている。
- [ ] 試験ごとに前提、期待、実際、証拠、立ち会った人がある。
- [ ] 要求が、それを示す試験に結びついている。
- [ ] 現地での検査が、用役、材料、つなぎ目、環境を確かめている。
- [ ] 残った項目に、受け持つ人と進め方がある。
証拠に裏づけられた検収が、合格も引き渡しも曖昧でないものにする。次の #80 では、自動化の系の引き渡しでこの連載を締めくくる。
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