機械設計 #107:図面の改訂表 — 改訂は数字を増やすだけではない
図面改訂表は境界が変わっても機能、意図、製造、検査、発行、保全を守らなければならない。
発行前に証拠
図面を変更したりパッケージを発行したりする前に、入力、期待結果、合否限界、故障症状、測定方法を書く。全ての前提、値、変更に担当を付ける。
基本チェック
- 変更の理由と、影響を受ける要求: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
- 改訂の記号と、有効になる日: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
- 承認、検証、発行の責任者: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
- 影響を受ける部品表、工程、供給元、在庫: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
- 旧版の管理と、現場での処置: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
- 監査の記録と、関係先への連絡: 値、出典、方法、担当、合否の証拠を記録する。
| 故障モード | 症状 | 確認 |
|---|
| 意図が欠落 | ファイルは正しいが機能が違う | 要求と証拠を確認 |
| パッケージが不完全 | サプライヤー・検査が停止 | 発行完全性を確認 |
| 文書が不一致 | 数値は正しいが改訂違い | 全資料を基準化 |
改訂表に必要な項目
「改訂B — 寸法変更」とだけ書いた改訂表は、形だけ埋めた表です。三か月後に読む人が知りたいのは、何を変 えたのか、なぜ変えたのか、どこへ影響するのか、どのロットから適用するのかです。
| 項目 | 内容 | 欠けるとどうなるか |
|---|
| 改訂の記号 | A、B、Cまたは1、2、3。体系を一つに統一する | 図面の新旧を並べられない |
| 発行日 | この改訂が有効になる日 | 二枚が机の上にあるとき、どちらが新しいか分からない |
| 変更の内容 | どの部位を、何から何へ変えたか | 次の人が二枚の図面を目で比べることになる |
| 理由 | なぜ変える必要があったか | 後で誰かが「元に戻す」。理由を知らないから |
| 影響範囲 | 連動する部品、組立体、ほかの図面 | 一か所を直し、連動する箇所を忘れる |
| 適用範囲 | どの製造番号から、どのロットから、あるいは全数 | 現場が二世代の部品を混ぜる |
| 作成・確認・承認 | 三つの役割と、それぞれの日付 | 誰が責任を持つのか不明確になる |
変更箇所は図の上でも示します
改訂表は何を変えたかを述べます。図の上ではどこを変えたかを示す必要があります。一般的な方法は、変 更した範囲を囲み、その横に改訂の記号を置くことです。多くは改訂記号を入れた小さな三角です。印がなければ読 む人は図面全体を探すことになり、情報の詰まった図面では実際には探しません。
新しい改訂を出すとき、前の改訂の印は通常取り除き、今回の変更だけが示されるようにします。案件の手順で残す と定めているなら、それを明記してください。各自がばらばらのやり方をしないためです。
改訂を上げる場合と、部品番号を変えるべき場合
最も重要な境目であり、最も見過ごされやすい境目でもあります。
| 変更 | 扱い |
|---|
| 誤字の修正、注記の明確化、部分拡大図の追加 | 改訂を上げる |
| 公差を締める、または緩める。ただし旧部品でも組み付き機能する | 改訂を上げる |
| はめあい寸法、材料、機能の変更。旧部品では置き換えられない | 部品番号を変える。改訂を上げるだけでは足りない |
短い規則です。旧部品と新部品が互換でないなら、二つは別の番号でなければなりません。互換でないものに同 じ番号を使うことは、倉庫が違うものを出し、保全が違うものを付ける確実な方法です。しかも双方とも「番号は正 しい」のです。
旧図面で作った在庫はどうするか
新しい改訂を出しただけでは仕事は終わりません。さらに答えるべきことがあります。旧改訂で作った部品はまだ使 えるのか、使い切ってから切り替えるのか即座に廃棄するのか、納入済みの機械に更新が必要か、現場の古い印刷物 は回収したか。現場の壁に貼られたままの古い図面は、まだ使われている図面です。
改訂を上げるときと、図番を新しくするとき
改訂表は変更を記録しますが、より難しい問いは、この変更が改訂の更新だけで済むのか、それとも 新しい図番が要るのか、です。これを誤ると、倉庫で新旧の予備部品が混ざります。
互換性(形状・はめあい寸法・機能)にもとづく実用的な規則です。
| 変更 | 扱い |
|---|
| 図面の修正、注記の明確化、実物は変わらない | 改訂を上げる |
| 公差や材料を変えたが、新部品が旧と互換 | 改訂を上げる |
| 新部品が旧と互換でない(はめあい・穴・機能を変更) | 新しい図番を発行 |
原則は、新旧の部品が使用中のあらゆる組立体で互いに置き換えられるなら改訂を上げ、置き換えられない なら新番号にすることです。購買者や修理者が、新版が要る場所に旧部品を付けないようにするためです。
変更範囲の表示と旧版の管理
- 変わった場所を示す:変更範囲を図面上で囲み(変更範囲の雲マークや範囲記号)、改訂表の該当行と
結びつけます。読み手は全図を追わずに、変わった場所をすぐ見られます。
- 旧版(廃止版)の管理:新しい改訂を発行したら、旧版は回収するか「廃止」と表示します。二つの
改訂を現場に漂わせません。機械に貼られたままの古い印刷図は、典型的な誤りの元です。
現行の改訂を表題欄に記し、どの印刷図も自分がどの改訂かを示すようにします。
MINATA発行チェック
- [ ] 機能、意図、境界、故障症状を記載した。
- [ ] 責任、接点、工程、誤操作防止が明確である。
- [ ] 六項目に証拠と合否限界がある。
- [ ] 製造、組立、検査、発行、保全を実機で試した。
- [ ] 改訂、サプライヤー、パッケージ、構成記録が一致する。
良い設計は、検証できる問いで終わる。図面改訂表では、機能と意図が信頼できる証拠を残すことがMINATAの基準である。
よくある質問
改訂を上げるのと部品番号を変えるのはどう使い分けますか
旧部品が新部品と互換であれば改訂を上げます。互換でなければ、つまりはめあい寸法、材料、機能が変わったなら、 部品番号を変えます。互換でないものに同じ番号を使うことが、倉庫の出荷違いの元になります。
改訂表に理由の欄は必要ですか
必要です。しかも最も省かれやすい欄です。理由がなければ、数か月後に誰かが「元のほうが理にかなっている」と 考えて戻し、最初の不具合が再び現れます。
図の上で変更箇所はどう示しますか
変更した範囲を囲み、その横に改訂の記号を置きます。印がなければ読む人は二枚の図面を目で比べることになり、 情報の多い図面では現実には比べません。
新しい改訂を出せば終わりですか
終わりではありません。旧改訂で作った部品の扱いを決め、どのロットや製造番号から適用するかを決め、納入済み の機械に更新が必要かを判断し、現場の古い印刷物を回収します。壁に残った古い図面は、まだ使われている図面です。
よくある質問(続き)
いつ改訂だけを上げ、いつ新しい図番を発行しますか。
互換性によります。新部品が使用中のあらゆる組立体で旧と置き換えられるなら改訂を上げます。互換でない (はめあい・穴・機能を変更)なら新番号を発行し、旧部品が新版の場所に付かないようにします。
変更範囲は図面上でどう表示しますか。
雲マークや範囲記号で囲み、改訂表の該当行と結びつけます。読み手は全図を追わずに変更をすぐ見られます。 この表示を省くと、改訂のたびに二つの図面を比べることになります。
新しい改訂の後、旧図面はどう扱いますか。
回収するか「廃止」と表示し、二つの改訂を現場に漂わせません。機械に貼られたままの古い印刷図は典型的な 誤りの元です。現行の改訂を表題欄に記し、どの印刷図も自分の改訂を示すようにします。
まとめ
図面の改訂表は、書類を整えるための手続きではない。設計意図を、繰り返し製作でき、組み立てられ、測定できる結果へ変えるための手段である。良い図面は、設計者がそばで説明しなくても伝わる。情報の構成そのものがその役割を果たさなければならない。
現場のための早見表
改訂表は、状況・書き方・目的を対応づけると決めやすくなります。
| 状況 | 書き方・制御の仕方 | 目的 |
|---|
| 変えた内容 | 特徴と理由を説明する | 後の人が影響を理解する |
| 適用範囲 | 部品・ユニット・適用する製造番号やロット | 構成を混ぜない |
| 承認 | 変更者、検図、承認、日付 | 責任を明確にする |
実際の場面
「寸法を修正」という一行では足りません。「センサ改訂Bに合わせて穴中心距離を80→82 mmへ変更、製造番号024から適用」と書きます。改訂は決定の記録であり、単なる連番ではありません。適用範囲を書かないと、旧構成の在庫と新構成が混ざり、どの製造番号からどちらの寸法かが後で追えなくなります。変更者・検図・承認と日付をそろえて初めて、その一行は責任の所在まで含んだ記録になります。
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