材料 #01:アルミ部品のアロジン(クロメート化成)表面処理
アロジン表面処理(クロメート化成処理)
アロジンとは?
アロジンは、アルミ表面に対する化成処理の一種です。アルマイトと違い、アロジンは通常ごく薄い被膜を作り、その主な目的は、耐食性の向上、後工程の塗装やコーティングの密着性向上、そして同時に通常のアノダイズより良好な表面導通を保つことです。
装置設計では、アロジンは、アース接続が必要・電気的接触が必要・軽い酸化防止が必要・塗装の下地が必要なアルミ部品によく現れます。被膜が薄いため、アロジンはアルマイトより寸法への影響が小さく、はめあい公差に敏感な一部の部品に適します。
アロジンを選ぶべきときは?
アロジンは、部品が次を必要とするときに適します。
- アルミの耐食性を、表面の厚みをあまり増やさずに確保したい。
- 導通やアース接触を維持したい。
- 塗装やコーティングの前の下地層にしたい。
- アルマイト被膜の厚みを制御しにくい複雑形状の部品を処理したい。
- 厚いアノダイズより寸法を安定させたい。
実例:制御盤内のアルミプレート、アースが必要なブラケット、電子組立品内の部品、塗装するアルミ筐体、あるいは酸化防止が必要でも電気的接触面を持つ機械部品。
アロジンとアルマイトの違いは?
どちらもアルミに使いますが、技術的な目的が異なります。
| 項目 | アロジン | アルマイト |
|---|
| 性質 | 化成処理 | 酸化層を作る電気化学処理 |
| 処理層の厚み | ごく薄い | 種類により厚い |
| 寸法への影響 | 小さい | 重要公差では制御が必要 |
| 表面導通 | より良い | 通常は劣る |
| 耐摩耗性 | 強くない | より良い、特にハードアルマイト |
| 主な用途 | 耐食、塗装下地、アース | 耐食、外観、耐傷 |
したがって、アロジンをアルマイトの「色違い版」とみなしてはいけません。主な要求が耐摩耗や外観の耐久性なら、通常アルマイトが適します。主な要求が導通・アース・塗装前の下地なら、通常アロジンの方が検討に値します。
環境と規格に関する注意
重要な点として、従来のクロメート処理は、RoHS や「Cr6+ 不使用」の要求といった環境規制に関係することがあります。日本の顧客や輸出工場と仕事をするときは、具体的な処理の種類を確認する必要があります。
- 三価クロメートか、六価クロメートか。
- RoHS/REACH の要求はあるか。
- 材料証明や表面処理証明は必要か。
- 顧客が要求する規格は何か。
環境要求が厳しいサプライチェーンに属する製品なら、あまり大まかに書くべきではありません。
図面記載の注意
実務的な記載は、次のような方向にできます。
Material: A5052 / Surface treatment: Trivalent chromate conversion coating / RoHS compliant / Keep electrical contact area conductive.
日本語の図面では:
材質: A5052 / 表面処理: 三価クロメート処理 / RoHS対応 / 接触面導通確保
処理後に塗装する部品なら、アロジン層が塗装前の下地であることを明記し、適合する塗装工程をサプライヤーと確認してください。
アロジン発注チェックリスト
- 主な目的は耐食・導通・塗装下地のどれか。
- RoHS/REACH または「Cr6+ 不使用」の要求はあるか。
- どの領域が電気的接触を保つ必要があるか。
- はめあい部や外観部にマスキングが必要か。
- 処理後に部品を塗装するか。
- サプライヤーからの表面処理証明が必要か。
- 外観・色の検査基準は明確か。
まとめ
アロジンは、耐食性が必要でありながら、表面導通や塗装下地も保ちたいアルミ部品にとって有用な選択肢です。その強みは、薄い処理層、寸法への小さな影響、そしてアースが必要な電気/機械部品への適合性です。
ただし、環境要求・クロメートの種類・サプライヤーからの証明には特に注意が必要です。B2B 製品や日本のサプライチェーンでは、処理条件を図面自体に明記することで、仕様間違いのリスクを減らし、再確認の繰り返しを避けられます。
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