品質 #01:QC工程表の作り方と使い方
1.QC工程表とは?
QC工程表とは、製造工程を管理するためのツールです。 この様式を用いて各工程の管理特性と管理基準をまとめることで、品質管理の方法や製品の品質状況を把握することができます。
日本品質管理学会(JSQC)の定義によれば、QC工程表は次のように定義されています。 「製品・サービスを生産・提供する一連の工程全体を図表の形でまとめ、その工程の各段階で、誰が、いつ、どこで、何を、どのように管理するかを示したもの」
QC工程表は英語で 「Quality Control Chart」、つまり品質を管理するためのチャートを意味します。 この表では、原材料の受け入れから製品の出荷まで、各工程ごとに管理すべき特性と管理方法が記録されます。
この表は 「QC工程図」 とも呼ばれ、製造業の多くの企業で広く使われている重要な工程管理ツールです。
2.QC工程表の役割
QC工程表は、生産過程で製品品質を維持・改善するうえで重要な役割を果たします。具体的な役割は次のとおりです。
各生産工程での品質管理方法を明確にする。 → 作業者や検査員が、何を管理・検査すべきかを明確に理解できるようにします。
品質基準と検査方法を標準化する。 → 作業者ごとの判定のばらつきを最小限に抑えます。
生産工程の透明性を高める。 → 品質不具合が発生した際に、情報を容易にトレースできます。
新人教育の重要な参考資料となる。 → 検査・管理の方法について、迅速かつ正確な教育を支援します。
生産工程改善の基礎となる。 → 表のデータを分析することで、弱点を発見し改善案を提示できます。
3.QC工程表の主な項目
このサイトからダウンロードできる 様式(図1) を使って、QC工程表の内容を説明します。
① 工程図記号(工程記号)
QC工程表は、品質管理・業務改善・従業員教育のために社内で使うだけでなく、自社の品質管理体制を社外のパートナーに説明するためにも使えます。
工程図の記号は JIS Z8206規格 で定められており、これらの記号を使うことで顧客も内容を容易に理解できます。
以下の 表1 に基本的な工程図記号を示します。
② 工程名
「工程」とは、製品を製造する際に工場内で機械または手作業で行われる「作業」のことです。 この項目には、原材料の受け入れ、加工、組立、検査、梱包、出荷など、一連の工程名を記入します。 (例:はんだ付け、ねじ締め、ねじ締め検査など)
③ 管理項目
管理項目 の欄には、管理特性と管理基準を記入します。
管理特性 とは、各工程の結果としての製品の状態を表す要素です。
管理基準 とは、顧客要求を満たすために設定される基準です。通常、品質を確保するため、生産・検査工程のばらつきを見込んで、これらの基準は顧客要求よりも厳しく設定されます。
④ 管理方法
管理方法 の欄には、各管理項目に対する具体的な管理の仕方を明記します。
品質を確保するため、各工程で誰が、いつ、何を、どの道具で、どのような条件で管理しているかを容易に見て取れるように表を設計しなければなりません。
測定方法、測定頻度、測定者、責任者を明確にすることで、個人ごとの管理の仕方のばらつきを最小限に抑えられます。
QC工程表の記入例
上記の項目を備えたQC工程表は、下図のような形になります。
4.QC工程表と作業標準書
QC工程表も作業標準書も、いずれも製造現場でよく使われる文書です。 QC工程表は品質に関する項目を表します。
作業標準書は、作業の手順、作業時に注意すべき重要点、使用する道具を分かりやすく明記します。
QC工程表は作業標準書を作成する基礎となります。 各工程での作業のやり方は、QC工程表の管理項目と基準を満たすために標準手順としてまとめられます。 作業者はその標準手順に従って作業し、標準どおりの作業を確保します。
QC工程表と作業標準書の違いを比較すると、下の 表2 のようになります。
以上、QC工程表の基礎知識と、その作り方・使い方について説明しました。 QC活動を推進する個人・企業にとって、本記事が有用な参考資料となれば幸いです。
工場でQC工程表を展開するためのチェックリスト
- 各工程と、その工程の入力・出力を明確に定義する。
- 管理項目は測定可能な言葉で記入し、「外観検査」のような曖昧な記述を避ける。
- 判定基準を明確にする:どの寸法・限度・標準見本・基準写真に基づいてOK/NGを判断するか。
- 検査頻度を記入する:全数、ロットごと、時間ごと、製品数ごと。
- 異常を発見した際に記録・確認・処置を行う責任者を定める。
- QC工程表を作業標準書、チェックシート、トレーサビリティ記録と連携させ、各文書が食い違わないようにする。
良いQC工程表は、単に顧客に提出するためのものではありません。「何を、どのように、いつ、誰が責任を持って管理するか」を現場が理解できるものでなければなりません。
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