技術日本語 #10 — 品質の日本語:不良・検査・寸法・公差・限度見本
日系工場で 品質 ほど言葉の厳密さを求める部署はありません。公差や限度見本の理解が一つずれるだけで、ロットごと返ってくることがあります。品質の語彙は 判定の語彙 です。どの語も合否の決定に結びついています。この回は、検査の現場でいちばん出る品質用語と、帳票や不良報告での使い方をまとめます。
品質の中核語彙
| 日本語 | 読み | ベトナム語 |
|---|
| 品質 | ひんしつ hinshitsu | Chất lượng |
| 不良 / 不良品 | ふりょう furyō | Hàng lỗi |
| 良品 | りょうひん ryōhin | Hàng đạt |
| 検査 | けんさ kensa | Kiểm tra |
| 合格 | ごうかく gōkaku | Đạt (kiểm) |
| 不合格 | ふごうかく fugōkaku | Không đạt |
| 寸法 | すんぽう sunpō | Kích thước |
| 公差 | こうさ kōsa | Dung sai |
| 限度見本 | げんど みほん gendo mihon | Mẫu giới hạn |
| 測定 | そくてい sokutei | Đo lường |
| 規格 | きかく kikaku | Quy cách |
| 規格外 | きかくがい kikakugai | Ngoài quy cách |
| 外観 | がいかん gaikan | Ngoại quan |
| 異物 | いぶつ ibutsu | Dị vật |
| トレサビリティ | toresabiriti | Truy nguyên |
公差と限度見本 — いちばん外しやすい二つ
- 公差 は基準寸法の周りに許される幅です。50 ±0.05 なら 49.95〜50.05mm が合格、外れれば規格外、すなわち不良。片側公差 20 +0.1 / 0 は 20.0〜20.1mm。符号と向きの読み違いが、いちばん高くつく間違いです。
- 限度見本 は、測りにくい不良(傷、色、つや)について合否の境目を示す現物です。限度見本と比べてください と言われたら、現物を出して比べる。感覚で判定しない。

二種類の検査 — 取り違えると工程そのものが変わる
| 日本語 | 内容 | 使う場面 |
|---|
| 全数検査 | 全品を見る | 安全に関わる部品、ロットが小さいとき |
| 抜き取り検査 | 抜き取って見る(AQL) | ロットが大きく、費用を抑えたいとき |
| 官能検査 | 人の感覚で見る | 測りにくい特性。限度見本を使う |
始める前に聞きます。この工程は全数検査ですか、抜き取りですか。
外観不良の呼び名
| 日本語 | 読み | ベトナム語 |
|---|
| キズ / 傷 | kizu | Trầy xước |
| へこみ | hekomi | Móp / lõm |
| バリ | bari | Bavia |
| 汚れ | yogore | Bám bẩn |
| 変形 | henkei | Biến dạng |
| 錆 | sabi | Rỉ sét |
| 欠品 | keppin | Thiếu / sót |
| 混入 | konnyū | Lẫn khác loại |
検査台で使う文
- これは不良です。
- 寸法を測定してください。
- 公差を超えています。
- 限度見本と比べて、合格ですか。
- 傷があります。外観不良です。
不良報告の安全な型は 対象、現象、判定 です。「部品A、異物あり、不合格。」明確で、責任追及の色がつきません。追跡のため ロット番号 を必ず添えます。
よくある間違い
| 間違い | なぜ困るか |
|---|
| 50 ±0.05 を片側の限界と読む | これは幅で、49.95〜50.05。符号と向きの両方が効く |
| 外観不良を目分量で判定する | そのための限度見本。比べるのであって、見積もるのではない |
| 全数か抜き取りかを確認しない | ロットに対して違う検査工程を回してしまう |
| ロット番号なしで不良を報告する | 番号がなければ工程をさかのぼれない |
読んだら動く — 自己チェック
- 図面は 30 ±0.02、実測 30.03。
- 限度見本と比べてください と言われた。
- 帳票に 全数検査 とある。
- 傷があるが、限度を超えているか分からない。
<details><summary>答え</summary>
- 規格外、よって不合格。30.03 は上限 30.02 を超えています。
- 限度見本を出して比べる。目で決めない。
- 抜き取りではなく全品を見る。
- 限度見本と比較する。それでも判断がつかなければ、不良と断定せず 〜かもしれません と報告する。
</details>
系統的な不良解析には QC七つ道具 を使います。特性要因図、パレート図、ヒストグラム、管理図、チェックシート、散布図、層別。改善の場でパレート図の話が出たら、割合の大きい不良から手を付けているということです。
要点
- 判定の対:良品と不良品、合格と不合格、規格内と規格外。曖昧にしない。
- 公差 の「50 ±0.05」は 49.95〜50.05。符号と向きを読む。
- 限度見本 は外観不良のため。始める前に 全数か抜き取りか を確認する。
- 不良報告は、対象、現象、判定、そしてロット番号。
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次回以降: 生産技術・図面と幾何公差の語彙(図面・幾何公差・データム)・日本語の図面で数字と寸法を読む。
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